そこのところが知りたかった! 医療安全Q&A vol7 「院内の録音・録画」 弁護士が対応方法をお答えします  PDF

あやめ法律事務所
江頭 節子 弁護士

 Q、診察室で病状等を説明する際に、患者が無断でスマホに録音していることがあります。当院としては基本的に院内での録音・録画はご遠慮いただきたいのですが、拒否することはできるのでしょうか。
 A、診察時の説明を忘れないようにメモすることは患者さんの権利でしょう。そうしますと、メモの代りに録音することも拒否できないと思われます。
 ただし、院内には他の患者さんの個人情報(お名前)が飛び交ったりしますので、それが録音されることは避けなければなりません。そういう意味で「無断録音お断り」「医師の説明の録音を希望される場合はその旨お申し出下さい」などと表示することはできるでしょう。申し出があれば、他の方の個人情報が入らないように留意して説明をすることになります。
 録画は、録音より拒否しやすいです。肖像権がありますし、医師の説明の記録のために医師の顔は必要ないからです。院内にいる他の患者さんのお顔や、他の患者さんのカルテが間違って写りこむのも困ります。
 録音・録画を全面禁止しても、撮りたい人は無断で撮ります。無断で撮ったからといって、ペナルティを課したり以後の診察を拒否できるわけでもありません。ですので、全面禁止にはあまり意味がありません。
 医療機関側も、迷惑行為を繰り返す患者さんがいた場合に、それを録音・録画して証拠として保全することもあるはずです。無断で録音・録画したものを、不当に流用したり公開したりすることが問題なのであって、証拠保全行為自体が違法とは言えません。
 録音・録画の申し出があり許可する際に、録取した内容を、医師の説明の記録という本来の目的以外に用いること、特に公開することを拒否することはできます。うっかり不正確な説明をしてそれがインターネットに投稿されたら、医師は安んじて診療に当たれないからです。つまり条件付きの許可となるわけです。

図1 院内処方・院外処方の別
図2 納入がない・減った医薬品は
図3 在庫がない・少ないため調剤できない等の医薬品は
図4 供給不足への対応は(複数回答)
図5 国・厚生労働省が取るべき対応は(複数回答)

表 1 供給不足の影響(一部抜粋)
●ジェネリックがなくなり、その影響でこれまで処方していた先発品も品薄になって処方できなくなった。
●同効品でも保険適応が異なっていることがあり、むずかしい場合がある。小児科では年齢制限もある。
●全自動散薬分包機による調剤を行っているが、分包機のカセッターは錠剤が変わると使用できなくなり、業務にさまざまな支障が生じている。
●在庫に注意しながら早めの発注、マスターの登録作業、対応策検討など業務負担の増加。

表 2 国・厚生労働省が取るべき対応(一部抜粋)
●今回のこと以外に、薬価が下がりすぎると、製造を止めてしまうメーカーがあり、使いなれたジェネリック薬がいくつも製造中止になっている。適切な薬価にしてほしい。
●品質管理の強化は必要だと思うが、入手困難になる製品があまりにも多過ぎ、外来以外にも院内(入院)の調剤にもかなりの影響がでている。有効性、安全性に影響のないものは時期をずらすなど、市場の混乱をまねかねないような政策が必要。
●国というよりマスコミなどでジェネリック薬品が不足傾向にある事を一般の人に知ってもらいたい。ジェネリックの薬価が低いこともありこれにはほとんどが中国・インド・韓国等でまかなわれていることも。
●オーソライズドジェネリックの普及。

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