協会は亀岡市・船井医師会との懇談会を1月18日に開催した。両地区から合わせて17人、協会から6人が出席。懇談は亀岡市医師会の温井雅紀副会長の司会で進められた。
冒頭、亀岡市医師会の鎌田雄一郎会長はこの2年間のコロナ対策に明け暮れた日々で感じたさまざまな問題点について触れ、今後予定されているブースター接種においてもこれまでと同じようにワクチン供給不足などの状況に陥らないか懸念を示した。また、コロナ禍に隠れてマイナンバーカードの保険証利用など現在の医療体制を大きく変えるような事案がなし崩し的に行われようとしていることに対しても危機感を示し、協会にはこれらの事案の問題点や解決の方向性などについて意見を聞きたいとあいさつした。続いて鈴木理事長のあいさつの後、地区から寄せられたテーマ「マイナンバーカードの保険証利用について」と協会からのテーマ「2022年度診療報酬改定―コロナでどうなる中医協での議論」「新型コロナウイルスを取り巻く諸課題と今後の医療提供体制」について意見交換した。
マイナンバーカードの保険証利用については、地区から政府の考えやマイナンバーカードに患者の病名などの重要な個人情報を紐づけすることの危険性などについて危惧するとの意見が出た。
協会からは、顔認証付きカードリーダーの普及状況を説明した上で、今後、顔認証付きカードリーダーが普及しても、これまで通り保険証での対応で特に問題ないと説明。また、2019年の健康保険法の一部改定によりさまざまな産業や民間企業などの第三者に対して医療データが提供可能となったことを受け、今後、顔認証付きカードリーダーを通して、患者同意を得てさらに匿名化する前提ではあるが、患者は同意の内容が何かわからなくとも画面の「はい」のボタンを押すことで病名や手術等に関する「診療情報」が第三者に提供されることが可能となった。個人情報の取扱いの観点からも非常に問題であり、患者には同意しなくても診療面などで不利益を被ることはないことを周知するとともに、第三者提供後の運用について厳しく管理する仕組み作りの必要性を述べた。
その他にも、今次診療報酬改定で導入が検討されている「リフィル処方箋」等について質問が出された。
最後に船井医師会の仁丹利行会長が、現在、オミクロン株による新規感染者数が増加傾向で予断を許さない状況であり、またブースター接種においても、供給・流通体制などに関する課題解決が急務であると指摘。今後も新型コロナウイルス感染症が多岐にわたり影響を及ぼすと考えられるが、地域医療の充実と危機的な状況を救うためにも協会と連携しスピード感を持って対応していきたいと締めくくった。
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