「保険で良い歯科医療を」京都連絡会が市民講演会 今井医師が鼻呼吸の大切さを伝授  PDF

 協会も参加する「保険で良い歯科医療を」京都連絡会は11月6日、市民講演会を開催。現地とネット参加を合わせ61人が参加した。福岡の医師・今井一彰氏が「いまこそ知りたい鼻呼吸、口呼吸のこと―コロナ時代を元気に乗り切るために」と題して、コロナ禍においてより重要となる免疫力向上の秘訣を講演した。
 今井氏は、新型コロナ後遺症の治療経験を踏まえながら解説。自院の患者のうち後遺症を訴えるのは比較的若い患者に多く、ほとんどに上咽頭炎の症状がみられ、その治療で疲労感や頭痛など多彩な症状の改善がみられたと報告した。
 今井氏は、感染症の予防策として、換気、手洗い、鼻うがい、歯磨きの4つを例示。特に鼻うがいは、ウイルスの家庭内感染を35%減らす実績が報告されており、感染後も鼻うがいに取り組むことで症状の軽快を促進する効果があると説明した。
 次に呼吸方法について、口呼吸をする人はしない人に比べて喘息の罹患しやすさが2倍~4倍になるとし、コロナ禍でマスクを常時着用する機会が増え、息苦しさから口呼吸の頻度が明らかに高まっていると注意を促した。また、口呼吸のリスクは感染症だけでなく、免疫系の疾患に対するリスクを高める臨床結果を報告。これらについても、口呼吸から鼻呼吸に変えると体の炎症作用を抑えやすくなることで症状の改善に繋がるとした。
 さらに、口呼吸の改善方法として「あいうべ体操」と、マスクをつけたままできるベロ回しトレーニングを解説。口周りの筋肉群を鍛える効果があるだけでなく、体温の上昇による免疫機能の活発化も見られ、これからのシーズンに推奨するとした。
 終わりに、新型コロナ時代におけるセルフケアとして、免疫力を向上させることが重要だと述べ、「命の上流」である「口と鼻を守ること」を心掛けてほしいと訴えて、講演は終了した。

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