コロナ禍など思いもしなかった2年前、東京の学会からの帰りに北陸新幹線で富山に遠回りして途中下車。名物列車“一万三千尺物語”を楽しんだ思い出話です。
富山へのGのG旅の序章は、“かがやき”のグランクラスに乗ってグルメ旅(写真1)。グリーン車を越える豪華なファーストクラスです。スパークリングワインから日本酒、スコッチまでフリードリンクで、東京の料亭のミニ弁当と天狗舞の純米大吟醸が味わえます。
標高3000m級の山々が連なる立山連峰と深海約1000mの富山湾、その高低差は約4000mという、富山は世界でも大変珍しい独特の地形を持ちあわせています。4000mは13000尺、あいの風とやま鉄道には“一万三千尺物語”という観光グルメ列車が走っています。“天然の生簀”と呼ばれる富山湾の採れたての魚と、ミネラル分豊富な立山の雪解け水で育まれた、里山の恵みをふんだんに盛り込んだ“富山の四季と高低差”を味わえるダイニング列車です。立山連峰の車窓を見ながらゆっくり走り(写真2)、富山湾鮨を楽しみます。
115系近郊型電車を改装した列車は3両編成(写真3)。1号車と3号車はテーブルとカウンターの席があり、景色を見ながら先付、造り、天ぷらと、握り鮨をいただきます。2段重ねの大きな箱に入って置かれます(写真4)。2両目には売店とガラス張りのキッチンがあり、大将が車内で握ってくれます。売店には富山で作られる全てのお酒と瓶と、セレクトされた数種類の2合瓶が準備され、食事のお伴にもお土産にも求めることができます(写真5)。
途中の驛に下車できる小休止の時は、待合室に出て、ヒスイや、埋没林など土地の名所の名物の一部を見たり触ったり、小さな楽しみも用意されています。
鉄道G旅を満喫した後は“つるぎ”と“サンダーバード”で京都に戻りました。再びこんな旅ができる時代に戻ってほしいです。
注)Gとは、グルメ、グランクラス、豪華などの頭文字の略です。
写真1 北陸新幹線かがやき
写真2 立山連峰を観賞
写真3 “一万三千尺物語”と記念撮影
写真4 観光グルメ列車ならではの贅沢なお弁当
写真5 カウンターには多種のお酒が陳列