高額療養費が適用される43 44 45併用レセプトにおける注意点
Q、京都子育て支援医療助成事業(法別45)との公費併用では、国保は併用レセプトによって、社保は単独レセプトで45分は福祉および子育て支援医療費請求書にて国保に請求しますが、高額療養費を適用する場合の取扱いが、国保と社保で異なると聞きました。具体的にはどのように違うのでしょうか。
A、45に限らず43、44、45の福祉医療との公費併用における高額療養費の適用とその取扱いは、社保と国保では異なります。
国保は、限度額適用認定証をお持ちで、国保単独で計算した場合の一部負担金額が高額療養費自己負担限度額(以下限度額)を超えている場合は、限度額適用認定証に記載された所得区分に応じてレセプトの「特記事項」欄を記載します。それに伴って、43、44、45が負担する額の上限も所得区分に応じて変化しますが、あくまで高額療養費と福祉医療の負担の案分に係るところなので、医療機関に支払われる金額に違いは生じません。
社保は、限度額適用認定証をお持ちかどうかにかかわらず、社保単独で計算した場合の負担金額が、70歳未満では一般のウの区分(8万100円+(医療費-26万7000円)×1%)の額を超える場合および70歳以上では一般の区分の額(外来1万8000円、入院5万7600円)を超える場合については、レセプトの「特記事項」欄に「公」を表示する必要があります。併せて福祉および子育て支援医療費請求書の「公長表示の確認」欄にも「公」と記載します。
社保のこの取扱いは、43、44、45への請求が発生するレセプトについては、元保険の限度額にかかわらず、社保の高額療養費の適用を一律に70歳未満は一般のウの区分、70歳以上は一般の区分として取扱うことから必要となっています。そのため、社保提出分のレセプトの「特記事項」欄に「公」の表示がなされていれば、43、44、45が併用された高額療養費が発生する請求であることがわかり、70歳未満は一般のウの区分を超える額が、70歳以上は一般の区分を超える額が、社保から支払われます。
「公」の表示がなされてないと(加えて多くの場合限度額適用認定証の提示もないため)、総点数に対する一部負担金は法定割合通り徴収されていると見えるレセプトとなります。一方で、国保に請求した43、44、45分は70歳未満は一般のウの区分、70歳以上は一般の区分の金額までしか支払われないので、その国保の支払い上限額と元保険の法定の一部負担金額との差額が、どこからも医療機関には支払われないことになってしまいます。
高額な注射薬の使用や高額な薬剤の院内処方など、外来でも高額療養費の対象となり得る社保と43、44、45分との併用レセプトがある医療機関はあらためて、「公」表示がなされているかをご確認下さい。