コミュニケーション委員会 ワクチン接種の地域での取組みとオンライン診療で意見交換  PDF

 協会は4月24日、2020年度第2回コミュニケーション委員会をウェブ会議で開催。地区委員16人(内会場参加1人)、協会から10人が出席した。医療従事者や高齢者への新型コロナワクチン接種が始まる中、各地区医師会での「新型コロナワクチン接種への取組み」「オンライン診療とオンライン資格確認の現状」をテーマに意見交換を行った。

 開会にあたり鈴木理事長は「3回目の緊急事態宣言が出され、大変な事態になっている。この間、協会では医療体制の逼迫をなくそうと提言してきた。今何をしなければならないのか、委員のご意見や現場の状況を聞きたい」と述べた。
 新型コロナワクチンの医療従事者への先行接種において、多くの地区医師会では「エクセル等を利用して、近隣の医療機関とマッチングを行い、無駄なく接種している」との報告がされた。しかし、これから始まる高齢者や一般市民へのワクチン接種に関して「十分なワクチンの供給があるか分からない中で、予定を組むのが大変だ」「ワクチンの供給量・入荷時期に関する情報があまりにも少なすぎる。このままで一般接種がうまくいくのか」と不安視する声も多数出された。
 協会は、マッチングに関して「地区医師会の方々の努力で何とかできている状況だ。そこに歯科医、訪問看護事業者等も入ってくると本当に大変だ。神戸市ではコールセンターが設置され予約を代行しているが、京都府は全て医療機関に丸投げになっているのが問題」と述べた。

行政の対応に改善求める声も

 京都市はポータルサイトでワクチン接種実施医療機関の公表を行った。公表された医療機関からは「自院の患者しか対応しないとの条件で公表を許可したが、その条件がわからない掲載の仕方に怒りを感じている。もっと丁寧に対応するべきだ」と行政の対応に改善を求める意見が出された。さらに「行政の担当者によって回答が異なるため、再調整する必要があった」ことも報告された。

オンライン診療は限定的に

 国は、新型コロナの感染拡大を機にオンライン診療を一層推し進めている。これに対し、委員からは「オンライン診療の対象となる患者の基準が必要。誰彼構わず行うのは反対だ」「禁煙治療やスタッフがオンライン機器を持って在宅患者を訪問した際に一緒に画像等を見ることができたり、状況によってはメリットがある」との意見が出された。
 協会からは「オンライン診療を一律に認めないのではなく、再診時のオンライン診療、慢性疾患であれば活用できる部分もあると考えている。その場合には、患者との信頼関係、同意が重要になってくる」と述べた。
 オンライン資格確認に関して委員からは「高齢者がマイナンバーカードを持ち歩き、紛失するリスクも高い。紛失した際の個人情報保護がしっかりできるのか」「ネット環境、システム環境などクリアすべきハードルが高い。簡単に導入できるインフラにしてほしい」等の意見が出された。

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