江戸町奉行というと大岡越前守や遠山の金さんが有名で、現代の役職としては警視総監や裁判官を想像する。しかし実際の役割はもっと広範囲で東京都知事、警視総監、消防総監、裁判所長官などを併せ持つ役割であった。警察業務を担当したのは同心30人程度らしい。当時、人口が100万人を超える広大な「江戸八百八町」の治安を維持するのは困難である。それを補佐したのが岡っ引き、下っ引きと呼ばれる手下で、私費で雇っていた。また、各町においては町役人が奉行所に協力体制を取っていたという▼当然これは無償での協力で、現代の地方自治体と町内会との関係を彷彿とさせる。昔から役人は町人の労働は無償と思っているのだろうか。オリンピックのボランティアは無給で、交通費も自前。宿泊先の手配も全く面倒をみてくれないという▼コロナ禍でも、我々医師は国民の健康のために汗を流すのはやぶさかではない。しかし、行政からそれが当然だといわんばかりの扱いを受けるとやはり面白くない。行政も調整や情報発信をさらに努力していただきたい▼蛇足ではあるが、個別接種の接種料は、自費診療として取り扱われることになると思う。年間の自費診療が1000万円を超えると2年後に消費税課税事業者となり消費税の納付が必要になる。現状の把握にお気を付けいただきたい。(内)
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