在日外国人へのワクチン接種支援を 京都府には先導の役割求める  PDF

 国を挙げてワクチン接種事業の準備が急激な速さで進められている中、ワクチン接種を受ける住民へのワクチンの有効性や安全性等、わかりやすい情報の提供が重要だ。特に情報が入手しにくいと思われる方々への特段の配慮が必要である。協会はこのうち府内に6万人超在住の外国籍の方々への支援を求めて、4月9日に国と京都市をはじめとする府内市町村に、4月14日に京都府に要請を行った。要請項目は、▽ワクチン接種券配布時には対象者に多言語化した説明書の一律添付を▽在日外国人のための集団接種会場の設置を▽各言語に日本語表記を併記した予診票の作成を▽技能実習生などが勤務する企業への訪問接種の検討を▽多言語対応のホットライン、窓口の設置を▽情報の拡散は支援団体の協力確保やSNSの活用を―の6項目。
 今回の要請に先立ち、京都民医連中央病院(右京)に勤務するファム・グウェン・クィー医師の協力を得て、在日ベトナム人に対するコロナワクチン接種に関するアンケートを実施。駐日ベトナム大使館をはじめ、全国20以上の在日ベトナム人コミュニティに協力いただき、2062人から回答を得た。回答者の多くが20歳代で技能実習生、高度人材の労働者、留学生となった。
 その調査結果から、「予防接種を受けたい」が93・5%にのぼる一方、「無料で接種できることを知っているか」では59・9%、実数では1236人が知らないと答えている。また、「自宅へ郵送される案内が読めない」「(日本語が話せないため)接種のための予約ができない」、加えて副反応自体への心配、副反応が出た場合の仕事への影響や通院・入院などの経済的負担も多くの人たちが心配と答えている。こうした結果は、在日ベトナム人に限ったことではなく、その他の在日外国人にも共通する問題である。
 クィー医師は「これまでの日常診療の中で、外国人患者については言語による壁が高いと感じている」「第1波から3波までの間に、受診の流れなどが変化していたが、その情報が十分に行き渡らず混乱を引き起こし、在日ベトナム人から多くの相談が寄せられた」としている。なお、このアンケート結果はNHK京都放送局(4/12)で報道された。

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