風薫る季節。今年は桜も早く咲き、すでにもう葉桜。みんなで桜を楽しむことなく散ってしまった。本来は、別れや新しい出会いのある大切な季節であるのに。桜が終わり、それに代わって、周りの木々たちの若葉は茂り光り輝き、目に眩しく飛び込んでくる。その若葉の輝きに、私たちの心はざわめき、明日への希望を見出す。毎年毎年同じことの繰り返しだが、この自然の営みの中で私たちは生きているのだと思い至る▼新型コロナウイルスの感染が再拡大し、収束が見えず日々の生活に希望が持てなくなってしまっている人も多いことだろう。ワクチン接種という希望の光も見えてはきているが、まだまだワクチンの供給量も少なく、全ての人たちにすぐにワクチン接種ができる状況にはない。いつになったら全ての人たちにワクチンを接種できるかわからない現状である▼少ないワクチンをどう効率よく無駄なく、希望する人たちに接種していくのか。私たち医療従事者にも任されている。市民の命を守るために、京都府、京都市、そして私たち医療従事者がともに手を取り合って、しっかり取り組んでいかなければならない。私たちの本質が今、自然の営みの中で試されている時だと感じる▼来年の桜は心からみんなが笑顔で楽しめる。そんな春を迎えるために、今頑張らねば。(治)
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