協会は2月20日、左京医師会との懇談を参加者と協会会議室をウェブで繋いて開催。地区から23人、協会から5人が出席した。懇談会は左京医師会・塩見聡史副会長の司会で開会。川勝秀一会長、協会・福山副理事長のあいさつの後、①新型コロナウイルス感染拡大による診療報酬上の臨時的取扱い②新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策についての説明③各部会からの報告④会員から寄せられた意見に対するコメントの順に意見交換した。
意見交換は、新型コロナウイルスに対するワクチン接種が中心になった。京都市は常時集団接種できる会場を探しているようだとの協会からの情報提供を受けて、地区からは来週にも区役所の担当者との間で集団接種の接種会場など住民向けの接種について打ち合わせることになっているとの回答があった。個別接種については、接種料2070円をどう考えるかについて複数意見が出された。協会としては、国はインフルエンザワクチンと同様に通常診療と並行して実施することを考えているようだが、予診にかかる時間、接種後の待機時間の確保、副作用が生じた場合の対応等を考えると2070円では少ない。現実的には日・祝日を個別接種に当てる必要も考えられるため、現在示されている以上の補助を求めていくべきと考えている―等を述べた。一方、地区からは、府は中学校区を基準としてやりたいようだが、校区により人口に差があり、高野、下鴨、洛北等の人口が多い地域で、普段予防接種をしていない医療機関にどこまで対応してもらえるか。個別接種は診療所では1日10人程度が限界ではないか。料金は安いかもしれないが、財源がないため仕方がないのではないか―等の意見が出された。
また地区から、重大な副作用が出た場合の補償制度について質問があった。協会から、しかるべき問診と手続きを経ても、仮に新型コロナウイルスのワクチン接種による副反応で死亡した場合は、国から4420万円の死亡一時金が出ることを紹介した。これに対して、地区から死亡一時金を受け取った上で、家族等が医療機関の対応に対して訴訟を起こすことは想定されないか、その場合の訴訟を免除する等の制度はないのか、との意見が出された。
これに対しては地区から、多くの医師がアナフィラキシーの症例経験があまりないため、どういう状態がアナフィラキシーか判断するのも難しく、挿管まではできない。エピネフリンを注射し、安静にさせて救急車を待つしかないが、そういう手順をマニュアル化すること、必ず受け入れてくれる病院を京都府・京都市が確保することが必要との意見が出された。
これらの意見を受けて協会から、救急救命の現場にいた医師以外でアナフィラキシーを診た医師は少ない。マニュアルに基づく対応をすべきであり、京都府医師会の救急委員会のガイドラインを待ちたい。病床確保の必要性について、協会としても働きかけたいと返答した。
その他、リスクのある人から接種の判断をかかりつけの医師に委ねられてしまうのではないかとの危惧や、問診の効率化にコールセンターを活用できないか、医師の問診時間等の負担を減らすための方策等について意見交換した。
最後に塩見副会長があいさつし、懇談会を終了した。
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