綴喜医師会と懇談 2月6日 ウェブ会議 オンライン診療・資格確認の導入は慎重に  PDF

 協会は2月6日、綴喜医師会との懇談会をウェブ会議で開催。地区から6人、協会から5人が出席した。綴喜医師会・村上匡孝副会長の司会で開会。開会に際し森岡稔勝会長は、「2回目の緊急事態宣言が延長になり、患者の受診控えは継続している。政治家や医療者などさまざまな立場があるが、コロナ禍の1年を過ごしたことで毎年の慣例事項の変えるべきところを示唆されているように感じている」とあいさつした。その後、協会から新型コロナに関する診療報酬の臨時的な取扱い、医療提供体制を話題提供し、綴喜医師会からのテーマとしてオンライン診療、医療機関におけるキャッシュレス決済導入に関して意見交換を行った。
 国が推し進めるオンライン診療に関して地区からは「コロナ禍で通常診療が難しい中での臨時的なオンライン診療は意義があるのかもしれないが、なし崩し的に導入されることを懸念している。オンライン診療では詳しい診察もできない、安易に診断することで患者が重篤な病気になる危険性もある」と警鐘を鳴らした。
 協会からは「離島やへき地等におけるオンライン診療、デジタル画像診断、デジタル病理診断は有効と考えている。協会は医療のデジタル化に反対ではない。一方で、オンライン診療は専門的な知識や治療に関する知見がなければ診療レベルが下がる。オンライン診療は日常診療の補完的なものであり、代替にはならない。政府はオンライン診療を普及させ、診療報酬を低く抑えようとする意図もある」と述べた。
 3月から始まったオンライン資格確認に関して地区からは「国は資格確認もオンライン化を進めようとしている。3月末までに申請すれば補助金が出るなど、さまざまな情報が流れている。問題点等を教えてほしい」との求めに対し、協会からは「オンラインで資格確認を行い資格喪失が判明した場合、保険診療で治療を受けられなくなることを考えておかなければならない。補助金の全額補助は3月末までの申請だが、補助金の申請自体は2023年3月31日まで。絶対に今年の3月末までに申請しなければいけないわけではない。京都府のマイナンバーカードの普及率は約20%。全国民にマイナンバーカードを押し付ける国の姿勢は非常に問題と考えている」と述べた。
 医療機関におけるキャッシュレス決済の導入に関して、地区からは「病院などで多額の医療費を支払われる方にとってはメリットではないか。最近では、銀行の両替手数料が増額になっている。キャッシュレス決済にしないと割に合わないことになるかもしれない」との意見が出された。協会は「世界的に見て日本のキャッシュレス決済の割合が低く、利用率を上げたい考えがある。コロナ禍の感染対策として一気に進めたい思惑もあるのではないか。キャッシュレス決済の利用料は、高ければ10%。大病院や自費診療が多い医療機関の利便性は高いかもしれないが、保険診療でのメリットは少ないのではないか」と述べた。
 最後に、各部会からの情報提供、会員からの事前に寄せられた意見に回答し、懇談会を終了した。

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