主張 勤務医にも寄り添い医業・生活守る活動進める  PDF

 保険医協会は保険で国民の健康を守る良い医療と保険医の医療・医業と生活を守ることを二大スローガンに掲げて活動している。
 勤務医の先生方には、協会は開業医のための団体とみられることが多いかもしれない。実際会員2309人のうち、90%は開業医で勤務医は10%にとどまっているのが現状である(2020年11月末現在)。
 そこで協会は18年に「勤務医委員会準備会」、20年には「勤務医委員会」を発足させた。勤務医にも協会のことを知っていただき、勤務医に役立つ取り組みを進めていくためである。
 現在までの主な取り組みとして、保険医年金やグループ生命保険、医師賠償責任保険など協会の多様な共済制度を知っていただくために、府内の病院勤務医約5300人にダイレクトメールを年2回送付している。その結果、少しずつではあるが勤務医からの資料請求の件数や新規入会会員が増えつつあり、手ごたえを感じている。協会の共済制度は医師のライフスタイルに沿って作られており、勤務医にも有益である。ぜひご活用いただきたい。
 さらに保険診療について、協会が長年蓄積してきた知見に基づいた講習会を、京都市内の2病院に出向いて実施してきた。病院勤務で生かせる内容に特化し、1回目は保険診療の基礎を主に研修医に、2回目は実際のレセプトを活用した保険診療の解説を若手医師に行った。計画していた3回目は新型コロナ流行のために中止となったが、今後も継続すべくWEB会議システムを活用するなどの方法を模索している。
 初冬を迎え、新型コロナが再度流行している。コロナ感染を診療するか否かにかかわらず、病院勤務医の負担増が危惧される。ワクチン実用化の報道もあるが、おそらく短期間で新型コロナウイルスが撲滅されることは困難で、ウイルスと共存した診療や生活の新しい様式が勤務医にも求められることになるであろう。
 保険医協会は、勤務医がそのような困難な状況にも適応し、「医療・医業と生活を守る」ことができるよう、勤務医にも寄り添った取り組みを進めていく所存である。

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