協会は、中京西部医師会との懇談会を10月5日、京都府医師会館で開催。地区から6人、協会から5人が出席。谷口浩也会長が進行を務めた。
冒頭、谷口会長より、厚労省が9月に発出した事務連絡「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」により、10月より医療機関に新たな体制整備が求められるが、すでに会員からは不安の声があがっている。新型コロナウイルス感染症から地域医療あるいは医療機関自身を守るために、協会と地区医師会で情報を共有し、ともに協力してこの難局を乗り超えたいとあいさつした。続いて、鈴木理事長のあいさつの後、協会から情報提供および「新型コロナウイルス感染拡大による診療報酬上の臨時的取扱い」や「新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策」、また地区から出された「新型コロナウイルスに対する今冬の対応についての協会の考え方」をテーマに意見交換した。
地区からは、「診療・検査医療機関」になった場合、自治体のホームページ等で住民に医療機関名を公表される可能性があると聞いている。医療機関名が公表されると発熱患者が殺到し、日常診療に何らかの支障をきたす恐れがあるだけでなく、発熱患者が集まることで他の患者が受診を控えるという風評被害も懸念される。さらには、地元住民の反対も予想されるなど問題が山積している。これらの不安要素を払拭しない限り、厚労省が示す体制整備は、絵に描いた餅に終わるのではないかという意見が出された。
協会からは、有効な対策の一つとして、一般の医療機関での対応ではなく、保健所を責任主体に「公的発熱外来」を設置する考えや廃校になった学校の跡地に発熱外来を設置し、そこに医師や看護師が出務する考えなど具体的な対策を提案した。
その他にも、「インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保診療補助金」制度の具体的な内容等について意見交換した。
最後に松尾敏副会長が、医療機関がよりよい医療を提供できるようになったと思える日が来るまで、今後も引き続き協会にはいろいろと協力してほしいと締めくくった。
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