私のアナログ趣味と生活 武田 純(下京西部)  PDF

 私の趣味はオールディーズ(1956年~1964年)のレコード収集であり、主たる関心はドーナツ盤と呼ばれたシングルレコードです。数千枚ものコレクションは私の自慢です。当時のアメリカはケネディ大統領が登場した頃で、まさに国の青春時代でした。我が家の白黒テレビではアメリカのホームドラマが目白押しで、大きな冷蔵庫と車、豊かな暮らしが憧れの的でした。
 収集した中古レコードは、針がプチプチと盤の傷と共に音を拾うアナログ再生であり、目をつぶれば懐かしいジュークボックスやツイストが心に浮かびます。当時、私はまだティーンエイジャーの入り口でしたが、米軍基地のラジオ放送を聞いて育ち、毎週のヒットチャートには夢中でした。おかげで、学校の英語は全く苦ではありませんでした。
 私のアナログ志向は益々高じて、テレビの地上波放送も最後までこだわり、家族の鼻つまみ者でした。最近のコロナ給付金も手書きの申請で、ネット利用など考えたこともありません。仕事でPCは仕方なく使いますが、MSWordとPowerPointの機能しか使えず、宝の持ち腐れです。定年退職後に、今の病院勤務で初めて「携帯電話」という代物を持ちました。所持歴はわずか2年で、通話しか使わない簡単機能です。スマホなど滅相もありません。
 私のオールディーズ収集は40年の歴史があります。以前は、学会ついでに全国の中古店巡りが多かったですが、加齢と共にヤフオクに変化してきました。コロナ騒ぎでこの傾向には拍車がかかっています。アナログ家がWebツールを使うなんてとんでもない話ですが、寄る年波には勝てません。
 最近、コロナの影響で「Web会議」や「オンライン診療」というものが始まりましたが、まだまだ馴染めません。「オンライン飲み会」に至っては理解もできません。
 「平成」から「令和」へと時代は移ろい、アナログの「昭和」は益々遠くなっていくようです。

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