代議員月例アンケート 127  PDF

新型コロナの院内感染防止策について
実施期間=2020年6月末~7月14日
対象者=代議員87人、回答数=43人(回答率49%)

公的な発熱外来必要74%

 新型コロナウイルス感染症については、5月25日に緊急事態宣言が解除されたが、第2波、第3波など事態の長期化を想定しなければならない。4月末に実施した緊急会員アンケートで、診療所の発熱患者への対応についてさまざまな対応がなされていることがわかった。感染を懸念しての受診手控えによる収入減に加えて、こうした費用も経営悪化の要因となっていると思われる。国は、第2次補正予算で重点医療機関以外の一般の医療機関等についても、感染拡大防止対策などに要する費用の補助について、病院、有床診療所、無床診療所それぞれに必要な費用を設定。京都府も感染拡大予防ガイドラインに基づく取り組みに補助金を設定している。そこで、あらためて院内感染防止策について尋ねた。

84%が感染防止に費用かけた

 新型コロナの院内感染防止のための工夫には、84%が費用をかけており、アクリル板等による仕切り、マスク、消毒用アルコール、フェイスシールド、防護具などが多い。テントや換気システムなどもあり、最も高額なのは別室増築に300万円。100万円以上は7%、10万~99万円は23%、10万円未満は35%、未記入は19%(図1)。
 第2波に備えて、考えている具体的工夫については、動線分離、別室診療、防護具や衛生用品の備蓄、スタッフ教育など。「呼び出しシステムで患者減を抑制」「唾液PCR検査を行えるようにする」や「インフルエンザ流行期に不安」「これ以上は無理」との声もみられた。

第2波に備え意見次々と

 地域の開業医が入口となりPCR検査へつなぐ仕組みでは、一般の診療所での感染危惧が払拭されないため、協会は自治体ごとにPCR検査も担う「公的な発熱外来」を設置し、地域の開業医が出務する仕組みを提案している。
 公的な発熱外来設置は「必要」が74%に上るが、7%は現在の仕組みでよいとする。「その他」では、開業医の出務で自院が苦しいことや、感染症に不慣れを理由に懸念する意見がみられた(図2)。
 第2波に備えて、国や都道府県に何が必要と思うかについては、検査の拡充や治療法・予防法の確立、収容施設の確保とその経済支援、消毒剤、防護具等の供与などが多くみられる。その他、第1波の対策の緻密な検証、正確な情報による適切な患者誘導、風評被害防止、マスコミ、メディアの報道の自粛、など。

図1 院内感染防止の費用
図2 「公的な発熱外来」の設置

ページの先頭へ