診療情報提供料(Ⅲ)とは
Q、20年改定で新設された診療情報提供料(Ⅲ)とはどんな点数ですか?
A、紹介を受けた患者について情報提供する場合に算定する点数です。かかりつけ医機能を有する医療機関および連携医療機関に関しては以下のA、B(表1)、妊娠中の患者に関しては産科・産婦人科および連携医療機関の間でC、D、Eの場合に算定できると考えられます(表2)。
かかりつけ医機能を有する医療機関とは、初診料の機能強化加算、再診料の地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所または在宅療養支援病院に限る)のいずれかを届け出ている保険医療機関です。
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ややこしいのは、従来の診療情報提供料(Ⅰ)との関係です。
診療情報提供料(Ⅰ)は他医療機関に患者を紹介した場合に算定します。つまりいったん預けるということです。
紹介を受けた医療機関も、患者を紹介した医療機関へ患者を返す場合に算定します。つまり、継続して双方で診療することを評価していません。
診療情報提供料(Ⅲ)は(Ⅰ)と違い、継続して双方で診療していくための情報交換を評価した点数です。そのために、告示の注1、注2では初診料を算定する患者の場合を除いています。
この(Ⅰ)と(Ⅲ)の使い分けに注意して算定する必要があります。
表1 診療情報提供料(Ⅲ)の算定パターン(かかりつけ医機能を有する医療機関関連)
ケース 算定する医療機関 対象患者 紹介元医療機関 算定回数
A ①かかりつけ医機能を有する機関(敷地内禁煙) 妊娠中の患者以外の患者 ⇒☆ 他医療機関 1回/3カ月
B ②敷地内禁煙実施機関 ①から紹介された患者 ⇒☆ ①かかりつけ医機能を有する医療機関
(1)「⇒」の際に情報提供した場合に算定
(2)「☆」の場合は初診日を除く(次回を予約した場合は算定可)
(3)右の「紹介元医療機関」から元々紹介を受けていることが前提
・A、Bの場合は紹介先医療機関の求めに応じて提供した場合
表2 診療情報提供料(Ⅲ)の算定パターン(妊娠中の患者さん)
ケース 算定する機関 対象患者 紹介元医療機関 算定回数
C ②敷地内禁煙実施機関 妊娠中の患者 ⇒☆ 他医療機関 1回/3カ月
D ③敷地内禁煙実施機関(産科・産婦人科担当医or妊婦の診療に係る研修を修了した医師の配置が望ましい) ⇒ 産科・産婦人科 1回/1カ月
E ④産科・産婦人科(敷地内禁煙(必須)and産科・産婦人科担当医or妊婦の診療に係る研修を修了した医師の配置が望ましい) ⇒ 他医療機関
(1)「⇒」の際に情報提供した場合に算定
(2)「☆」の場合は初診日を除く(次回を予約した場合は算定可)
(3)右の「紹介元医療機関」から元々紹介を受けていることが前提
ⅰ)Cの場合は紹介先医療機関の求めに応じて提供した場合
ⅱ)D、Eの場合は必要を認めて提供した場合