医界寸評  PDF

 中学生の頃、七十歳人生依願退職制という言葉を思いつき、半分の歳で張り付け処刑された政治犯の伝記4本が載る座右の名著の裏表紙に記入した。当時、父方の祖父母と同居生活で、4年後の秋、祖父は享年76歳で他界した。父は、親父の歳まで生きてしまった、次は自分だと言いながら90歳の大台に乗り、Don’t resuscitate me!と宣言しておいた病院に緊急入院した。翌夕、脈拍数が自然降下を始め、母の後を半年後に追い心拍動も安らかに停止した▼全て次は自分で、去る年の誕生日は9日前にどっと疲れて日の出も拝まず朝寝を貪り、干支が巡って年が明ければ、この歳男には早寝はできても早起きが辛い。「このごろ匂いがよく分らない」と、まさか新型コロナウイルスの感染ではあるまいが、72歳で認知症の初発症状を言い出した母のようにはなるまいぞや▼古希も過ぎれば、Anti-agingが大切で、気の力の注入が要る。2月9日昼からの研修会で、朝の間に太宰府天満宮を参拝して、政り事やら学問への志半ばに左遷された憾みの籠る本殿の梅の香漂う赤々しさを目に入れて3日間は頭がシャープに御利益満点であった▼ゴールデン・ウイークは世界旅行もできぬ拘束で、家庭内ストレスの蓄積から血圧も急上昇、コロナよ来るな!の怒りを捨てまさか心筋梗塞・脳梗塞にはなるまいぞ!(卯蛍)

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