主張 医療者の果たせる役割に向かうのみ  PDF

 今年1月16日に新型コロナウイルスの初感染者が確認されてから、急速に拡大し、4月7日に7都府県に緊急事態宣言が発出され4月17日には全都道府県に拡大された。
 不要不急の外出自粛、密閉、密集、密接の三密を避ける行動が要請された。全ての学校が休校となり、企業ではテレワークが行われ、飲食業や小規模事業所でも営業自粛が行われた。初めは5月6日までの予定だったが感染拡大が収まらず、緊急事態宣言が全面解除されたのは5月25日だった。その間経済に与える影響も大きく、我々医療機関への影響も甚大なものとなった。
 多くの医療機関が医療従事者への感染や院内感染防止を心がけ診療してきた。しかし、感染防御のためのマスクや防護服、消毒液の不足が著しく、特に、感染症外来を担っている医療機関では、従事者の疲弊が起こった。
 協会では、4月14日から27日の期間、府内病院を対象に「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療経営係る緊急アンケート調査」を実施。その結果に基づき4月30日、安倍晋三首相、加藤勝信厚労大臣らに対し「医療崩壊、地域包括ケアシステム破綻を招かないための緊急要請」を提出した(本紙第3074号既報)。続いて、診療所も対象に緊急アンケート調査を実施。この結果を受け、全ての医療機関の経営支援、感染防御の資材提供もしくはそのための財政支援を、国と京都府、京都市に5月28日付で要請した(本紙第3075号既報)。
 このような状態の中、国の補助である事業持続化給付金や、国民全員への1人10万円の支給もスピード感を持って、と言いながら遅々として進んでいない。給付申請の複雑さや、オンラインでの申請も給付されるまでの期間が長すぎるとの不満が聞かれる。
 緊急事態宣言の解除後もすぐにはお客や患者の増加は起こっておらず、経済に及ぼす影響は、しばらく続きそうである。
 協会の融資斡旋制度では運転資金の低利はそのままに協会手数料を無料にした。医療機関の収益悪化で、融資をお考えの会員に少しでもお役に立てれば幸いである。(関連3面)
 コロナウイルス感染の収束が見通せない中、我々医療者はできることを一生懸命やっていくことである。

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