新型コロナで病院の医療経営に深刻な影響 医療崩壊招かないよう緊急要請  PDF

 協会は4月14日から27日の期間、府内病院を対象に「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療経営に係る緊急アンケート調査」を実施。その結果に基づき同月30日、安倍晋三首相、加藤勝信厚労大臣らに対し「医療崩壊、地域包括ケアシステム破綻を招かないための緊急要請」を提出した。
 緊急アンケート調査結果から、3月の時点で外来を中心にすでに受診抑制が発生。医業経営にも影響が出始めており、本来であればきちんとした受診が必要であるにもかかわらず受診しない、または診療できない患者が増加したこと。それによる医業収入の落ち込みが、地域での医療機能の維持を困難にさせ、さらに医療資材の不足や医療従事者の確保困難、入院から在宅への患者の流れの停滞(退院先となる施設の新規受け入れ停止等)により、医療崩壊や地域包括ケアシステムの破綻を招く可能性が示唆された。このことから、以下の6項目を要請した。
 ▼初診および2度目以降の診療を電話、またはビデオ通話で行う場合、特例で算定できると示されている各種診療報酬点数について、平時において対面で診療を行う場合と同等以上の評価とすること▼新型コロナウイルス感染症患者以外を対面で診療する場合にあっても、院内感染防止に徹底的な対策が求められ、そのコストも膨らんでいることから、通常の基本診療料(初・再診料、入院料等)に上乗せを行い、補てんすること▼新型コロナウイルス感染症患者を直接受け入れていない場合であっても、地域包括ケアシステムの破綻を招かないよう、入院基本料等の各種施設基準を満たせない場合に、臨時的に満たしているものとみなすこと▼マスク、ガウン、フェイスシールド、プラチックグローブ、アルコール消毒液など各種医療資材、医療機器については、国が責任を持って確保し、医療機関に優先的に供給すること▼新型コロナウイルス感染症患者の診療を行う場合はもちろん、それ以外の診療であっても、医療従事者のストレスが増大し、疲弊し、業務量が増大し、人員も不足していることから、診療報酬とは別に医療従事者向けの補助金交付を実現すること▼新型コロナウイルス対策に係る医療機関向けの情報は、速やかにかつ分かりやすく提供すること―。
 緊急アンケート調査の詳細については3面参照。

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