協会は山科医師会との懇談会を2月20日に山科医師会館で開催。地区から5人、協会から6人が出席した。山科医師会の安井仁副会長の司会で開会、戎井浩二会長は「新型コロナウイルスの影響で各地自粛ムードが蔓延しており、今後の動向が非常に不安。
京都市の介護認定給付業務の委託に関しては、大きな問題ではあるが広く知られていない。民間委託されることにより、今後不都合が生じた場合に誰が責任を取るのか。我々も勉強させてもらいたい」とあいさつした。
2018年4月にすべての市町村に実施が義務付けられた在宅医療・介護連携支援センターの運営に関して、地区からは「今年の1月から支援センターを開設したが、今後どうやって運営していけば良いか悩んでいる。支援センターの従業員との雇用関係も生じており、給与水準の設定も非常に難しい。
他地区での運営上の問題点などがあれば今後の運営の参考にしたいので教えてほしい」と述べた。
協会からは、支援センター開設状況を報告し、他地区での運営上の問題点として「京都市内のある地区では、支援センター事業を複数の地区医師会で運営している。規模が大きくなれば、会議等の運営費が膨らみ赤字財政になりかねない。その他にも、地区医師会未入会の在宅医療専門クリニックとの関係をどう作るのかが課題などの報告を受けている」と紹介した。加えて「多職種連携でやることが重要になってくる。在宅医療の担い手の問題もあり、地区医師会未入会の医師も巻き込んで運営しなければならないのではないか」と述べた。
医師偏在対策に関して地区から「医療資源や標榜科目ごとの偏在がある。山科駅周辺に消化器内科は多い。心療内科は1軒しかないが、四条烏丸近辺にはたくさんある。この状況をどうやって是正するのか。公的な財源でやるべきだ」との意見が出された。これに対し協会は「協会代議員アンケートでは、標榜科目の偏在は解消しなければならないと考えるが、国の方針には納得できないとの回答を得た。地方で開業しても経営が成り立たないような現在の経済状況など、本質的な部分を改善しなければ偏在は解消されない」と答えた。
京都市の介護認定給付業務の民間委託化に対し地区からは「民間委託は経費削減のためなのか。現場では介護認定までに1カ月程かかっているが、これが2~3カ月になるのではないかと不安に感じている。何のために民間委託をするのか見えてこない」との意見が出された。協会は「これまで130人に支払っていた人件費と同額程で委託しており、経費削減にはならないのではないか。民間委託できるものはする国の方針に京都市が倣った形ではないか」と述べた。
最後に山科医師会の福光眞二理事は「各地区での事情があることはよく分かるが、共通した問題もあるはずだ。地区懇談会の意義の一つは各地区を回ることで京都府全体の向かうべき方向や解決策が見つかることではないか。『困った時の保険医協会』との言葉通り、保険医協会の存在は頼りになる。益々の発展を祈念したい」とあいさつし、閉会した。
MENU