保団連近畿ブロックは2月20日に大阪国税局と交渉を行った。当日は、安藤元博大阪府保険医協会副理事長、近畿各協会事務局ら8人が参加した。大阪国税局からは三浦総務課課長補佐、他2人が対応した。事前に国税局に提出した要望書を踏まえ、2019年に近ブロで実施したアンケート結果を中心に交渉した。
まず、税務調査の事前通知11項目の書面通知を要望した。国税局は「法定上、通知方法に規定がない。日時、場所、帳簿等は納税者と確認しながら調整するため、書面ではなく原則電話で行う」と回答した。近ブロは、アンケートで過去5年間に本人が事前通知を受けたと回答した会員に11項目についての通知があったか聞いたところ、「項目が多くてすべて通知されたかわからない」が7割、「11項目全て通知があった」がゼロという結果を紹介。電話で通知後、本当に税務署なのかという問い合わせはないか、あった場合はどう対応しているか質問した。国税局は「オレオレ詐欺が広がる中、実際に納税者から問い合わせはある。税務署の電話番号と担当者名を伝え折り返してもらっている」と回答した。さらに近ブロは、調査時の身分証不提示が7件あったと指摘すると、国税局は「この話は関係課に伝える。調査の際は必ず税務署員の身分証を確認するよう会員へ呼びかけてほしい」とした。
次に、医師・歯科医師に守秘義務が課されているカルテの提示・提出や、調査に不必要なコンピューター等電子機器上にある情報の提出を求めないことを要望した。国税局は「帳簿書類等の内容を確認する中で、税務署員が必要と認める場合はカルテを確認することがあり、法令上認められた質問検査権の範囲だ。税務署員には国家公務員法等で厳しい守秘義務が課せられている」と回答した。近ブロは「電子カルテの前に座り、取扱説明書を要求し、勝手に色々検索して1時間後、片づけることなく机上に散乱した書類を放置し帰った」事例を紹介し、配慮が欠けているのではないか問うたところ、国税局は「失礼なやり方だ。事案の特定は難しいが関係課を通じて対応する」と回答した。
さらに、帳簿書類等は留め置き(持ち帰り)しないことを前提に、留め置く場合は預り証を発行し、返却期日を明記することを求めた。国税局は「法令上、必要がある場合は物件を留め置くことができる。やむを得ず留め置く場合は納税者の承諾を得て行う」と回答した。近ブロは、留め置きの申し出に渋っていたら、何かやましいことがあるのかと言われた事例を紹介し、強制を迫る言動はやめ、物件数量や返却期日の明示の徹底を要望した。国税局は「留め置く必要がなくなれば速やかに返却する。必要になれば申し出てほしい。やましいことがあるのかという言い方は不適切だ。関係課に伝え指導したい」と回答した。
その他、質問応答記録書、税務署員教育等について改善を求めた。
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