京都府は医師確保計画(最終案)を2月10日の京都府医療対策協議会に示した。同計画は改定医療法・医師法(2018年)に基き、厚労省の作成した「医師偏在指標」によって全都道府県と二次医療圏を33・3%ずつ「医師多数」「医師少数」「それ以外」に分類し、分類に応じた医師確保の対応方針を定めさせるもの。すでにパブリックコメントが実施され、協会も1月9日に提出している(本紙第3066号既報)。最終案はパブリックコメントで寄せられた意見を反映するとともに、偏在指標について国の示した確定値を反映したものとされている。
パブリックコメントは19年12月19日から20年1月9日の間受け付けられ、24団体・個人から意見が寄せられた。会議で配布された意見募集結果には各々の意見の趣旨に対し京都府の考え方が記載されている。例えば協会からの「緊急性および専門性の高い治療が必要な『脳血管疾患・心疾患・ハイリスク分娩』を『重点領域』として設定し、その医療を確保する計画を策定したこと、外来医療計画に国が求めた外来医師多数区域での開業規制策を盛り込んでいないことを評価」する、との意見に対しては「少子高齢化が進む中、受療動向、医療機関の診療体制、アクセスなど地域の状況を考慮し、地域住民が安心して医療を受けられるよう、二次医療圏にとらわれず、地域の実態に合わせた医療提供体制の充実に努め」る。また「医師少数スポットより細やかな医療状況の実態把握が必要であり、医療資源をめぐる実状を分析・検討するために、データの収集と精緻化を担う府民と医療関係諸団体が参加する場を設置してもらいたい」との意見に対しては、「地域医療構想調整会議において地域の実態把握および対策を協議」するとコメントしている。
医師偏在指標の暫定値から確定値を反映させた結果、丹後が「どちらでもない」から「医師少数」に、南丹が「医師多数」から「どちらでもない」に、山城南が「医師多数」から「医師少数」にそれぞれ変更。またこれに伴い、京都式の偏在指標も更新されたが、重点順位は中間案からの変更なく、丹後・南丹・山城南・中丹・山城北・京都乙訓とされた。
産科・小児科、外来医師偏在指標についても国の確定値を反映。産科では中丹が引き続き「相対的医師少数区域」とされた。外来医師偏在指標は山城南医療圏が暫定値段階では外来医師多数区域だったが、どちらでもない区域に変更された。
各圏域の医師確保の方向性については、すべての二次医療圏について中間案に比べ、記述が充実された。
同計画は開会中の京都府議会に報告され、正式策定となる見込み。協会はパブリックコメントで医師偏在対策は「地域そのものの再生やまちづくりを目指す計画と一体的」に進める必要があると指摘した。私たちの考える地域の再生とその方策について、今後とりまとめ、国・自治体に問題提起する予定である。
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