綾部・福知山医師会と懇談 12月7日 福知山医師会館 医師偏在は地域社会の在り方問う課題  PDF

 協会は綾部・福知山医師会との懇談会を12月7日に開催した。地区から9人、協会から5人が出席し、福知山医師会の西垣哲哉・古村俊人両理事の司会で進められた。冒頭、福知山医師会・井土昇会長より「協会から情報提供いただくとともに、医師の働き方改革等で色々とお教えいただきたい」とあいさつの後、協会から各部会の情報提供、地区からのテーマ「医師の働き方改革」と、協会からのテーマ「医師偏在対策とかかりつけ医登録制」について意見交換した。
 医師の働き方改革では、地区から「開業医の研修や学会は仕事の時間に入るのか」など労働時間についての質問が出された。協会より「政府の議論は勤務医に対してのものであり、開業医の働き方については全く議論になっていない」とした上で、「欧米との比較でも日本が年1860時間まで容認したのは突出しており、本当にそのような時間外労働をしないと研修ができないのかどうかを検討すべき」と回答した。関連して、応招義務について「医療を取り巻く状況の変化等を踏まえた医師法の応招義務の解釈に関する研究」報告書の内容を協会から報告し、意見交換が行われた。さらに、医師の仕事量の増加に伴い、本業以外の業務を敬遠する傾向がみられ、一部の人に負担がかかることを危惧する意見も出された。
 また、医師偏在対策に関しては、地区から「京都府医師確保計画(中間案)に医師偏在指数の圏域ごとの方向性で、丹後は『医師確保に努める』、中丹は『医師確保を図る』とあるが、誰が誰に対して努めたり図ったりするのか」との質問があった。協会は「医師確保を具体的にどう保障するかという一番重要な議論は全くない」と回答した上で、「厚労省は若い医師に何らかのインセンティブを与えればうまくいくと思っているようだが、東京圏との格差が広がる現状の中、人口減の地域での開業は経営が成り立たない。日本の社会の在り方にかかわる問題だ」と述べた。
 懇談会の最後に綾部医師会の米谷博夫副会長より、懇談会での意見交換を活かして諸活動に取り組んでいきたいとあいさつ、閉会した。

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