2018年7月成立の改定医療法・医師法により、都道府県は19年度中に医師確保計画と外来医療計画を策定することになっている。都道府県は国が示した「医師偏在指標」を用いて、医師多数区域・医師少数区域を設定。二次、三次医療圏ごとに確保すべき医師数の目標を算出し、確保方針と共に医師確保計画を策定しなければならない。
京都府は医師確保計画の策定に向け、中間案を公表しパブリックコメントを募集。府の中間案では、「京都式」として独自の医師偏在指標を作成。この指標に基づき、医師確保の重点順位を①丹後②南丹③山城南④中丹⑤山城北⑥京都・乙訓とした。加えて二次医療圏よりも小さな単位で「医師少数スポット」を定め、中丹、南丹のへき地診療所周辺の地域を指定した。なお、今回の国の指標では、丹後がどちらでもない区域から少数区域に、南丹が多数区域からどちらでもない区域に、山城南が多数区域から少数区域に変動している。
協会は、京都府のより地域に密着し医師偏在の実態を解明しようとする姿勢や国が求めた外来医師多数区域での開業規制策を盛り込んでいないことなどを評価。そのうえで、医師偏在を評価するには二次医療圏でも範囲が広すぎること。医師確保計画は緊急に医師が必要な地域への手当を行う計画であると同時に、地域そのものの再生や「まちづくり」を目指す計画と一体的なことが必要だと指摘した。以下、府に提出した意見を掲載する。
国の医師偏在指標
医療圏 指標 全国順位 区域
全国比*
全国 239.8 100
京都府 314.4 131 多数
丹後 134.9 56 299 少数
中丹 184.0 77 149
南丹 166.4 69 206
京都・乙訓 397.3 166 4 多数
山城北 178.8 75 163
山城南 141.5 59 285 少数
*全国を100とした場合の割合
京都式の医師偏在指標
医療圏 指標 重点順位
全国比*
全国 229.8 100
京都府 287.0 125
丹後 94.1 41 1
中丹 164.9 72 4
南丹 141.1 61 2
京都・乙訓 363.6 158 6
山城北 186.8 81 5
山城南 159.5 69 3
*全国を100とした場合の割合
京都府医師確保計画(中間案)より