★私のこだわり 外せないもの 森岡 稔勝(綴喜)  PDF

 日常食べているものでこれだけは「外せない」こだわりの物ってありますよね。「三つ子の魂百まで」と言われるように幼少期に好物だった食材は年齢を重ねても美味しいものです。
 ちなみに、私の一押しは、「コロッケ」です。
 特に商店街にあるお肉屋さんが揚げてくれるコロッケが大好きです。
 揚げ物が好きだった幼少の頃は、結構な確率で母の手作りコロッケが食卓に並びました。形は「俵型」。ジャガイモの食感のホクホク感を出すための形状と食べやすさを考えた母のアイデアではなかったかと思っています。今では母は高齢になりましたのでお目にかかることはありませんが、お袋の味の一つであることに間違いはありません。
 一般に浸透している「昔ながらのコロッケ」は、表面にカリカリ感があり、その食感は家庭のものとはひと味違います。私は噛んだときの食感が一番の魅力だと思っていますが、人が味として感じる味の基本は、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の五つに分類されるようです。また舌の部位により感じ方が違って、甘味は舌先、塩味、酸味は舌側縁、苦味は舌根となります。では「コロッケ」はというと軽い甘みとうま味ではないでしょうか。それに食感が加わるので無敵となります。
 日頃、献立に困った妻は「今日は何が食べたい?」って聞いてきます。そのたびに私の頭には「コロッケ」が浮かぶのが不思議です(笑)。
 妻にはいつも「子どもかっ!」って笑われていますが。それでもキャベツの千切りを添えれば一品完成ですので、あんがい喜ばれていると自負しています。
 「昔ながらのコロッケ」で特に私がご紹介したい名店があります。
 河原町通今出川上ル、出町の豆餅で有名なF店の並びにあるお肉屋さんO商会です。ここのコロッケの風味は別格です。
 そして、揚げたてを鴨川の出町橋周辺まで持って行き河原で食べるとこれが絶品に変わります。ただ、最近は上空からの鳶(トビ)の標的になりますのでくれぐれもご注意下さい。
 人のカラダは食べたものでつくられます。栄養バランスや糖質制限などいろいろ言われる昨今ですが、こだわりがあって自分だけの「外せない」ものがあって味わってうまいと感じる食材があるということは、毎日が「幸せだなぁ」ってことで、私のこだわりの食材をご紹介させていただきました。ありがとうございました。

ページの先頭へ