協会元顧問の莇立明弁護士を賞す 医療安全対策部会理事 宇田 憲司  PDF

 2019年11月12日、協会の元顧問弁護士の莇立明先生に協会にお越しいただき、理事会会場にて鈴木卓理事長より「功労賞」を授与しました。また、協会および協会会員・医療機関への長年にわたる法律上の貢献を謝し、記念品と花束を贈呈しました。
 莇先生は、1959年に弁護士登録をされ、故中野信夫理事長時代の1972年6月より、本協会の顧問弁護士にご就任いただき、法曹の立場から47年間の長きに渡り、協会の法律問題および協会会員・医療機関の主に医事紛争問題などについて相談のうえ、係争代理人としても適正に対処いただくなど、会員の適正な医療活動や会員の生活と権益を適法に守るべき協会の広報・相談活動やその継続促進に対して大きく裨益(ひえき)いただきました。医療安全対策部会においても、このような先生の業績には感謝の域を超え、これまでいただいたご健闘・ご功労は栄誉として称えるに値するものと表明いたしたく、「功労賞」としての授賞が発案されました。
 莇先生は、医療事故案件調査委員会や医師賠償責任保険処理室会においても、勝訴へと粘り、敗訴は避けるべく適正に和解を採用されるなど訴訟や交渉での辣腕弁護士としての姿を長年にわたりお示し下さり、紛争処理への適正な典型を知ることができ、我々担当理事・委員も大変勇気付けられたものです。
 私も、先生からの刺激のおかげで、法学部大学院で医療過誤訴訟事件に関わる研究論文を執筆したり、能率的な法学の勉強に司法試験予備校での六法の講義を受講・勉強したりもできました。
 また、平成も末のある夏の日に、やや秘密めいたお誘いを受けたことから、先生の本来の志が何か分かり、さらに尊敬の念を抱いたことがあります。今後、ご自分の事務所では、主に心身に支障のある人が被っている権利侵害の回復を図ることを多々行いたいとおっしゃり、私にも障害児の仕事をしていた経験があるので顧問にしてあげようとのことでした。ただ、それだけでは仕事が減り収入も低下し、職員の給与を十分払えなくなりませんか、と申し上げたところ、それにはすでに十分な資金の蓄積ができているし、また、職員も能力のある人は独立できる、とのことでした。
 私には、隣の土地を買ってデイサービス等の介護保険施設の立ち上げをしなかったことから、現状のままの、先細りじり貧型事業経営のままということでもあり、新たな志またよしと思いました。ただ、経済的危険を伴うと疑われることをする勇気を持ち続けることの決断を、他の者にもするようどこまで説得できるかの問題が生じることも事実です。
 このたび莇先生には、志を新たにして道を成す、とのお教えをいただき、積年のご厚情を謝する機会を得ることができ、ありがとうございました。今後ともますますお元気でご活躍のほどをお祈り申し上げます。

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