入院時食事療養・生活療養、まとめと7月定例報告(適時調査)
28回にわたってご紹介した本シリーズも今回が最後である。最終回は食事療養等の留意点の紹介と若干のまとめを述べたい。
病院であれば入院料5対策のうち栄養管理体制で原則常勤の管理栄養士配置が求められているため、まず問題はないと思われるが、入院時食事療養・生活療養Ⅰについては、常勤の管理栄養士または栄養士の配置が必要で、当該部門の責任者等としておくことが求められている。特別食の管理も大事である。特別食と病名の不一致がないか、特別食食事箋が医師により発行されているか、医師の関与が不明確でないか等を確認したい。
今では全く珍しくなくなった適時・適温。原則として夕食(注入食も含む)は午後6時以降に提供されているか、保温・保冷配膳車、保温食器を用いる等して適切な温度の食事が提供されているか。また患者食とは別に職員食がある場合、その帳簿や盛り付け等は別とされているか等にも留意しておきたい。
さて、臨場による適時調査(実地調査)の他に、厚生局は施設基準の確認方法として「定例報告」を求めている。毎年、施設基準の届出を行っている医療機関に対して、各施設基準が7月1日現在、届出要件を満たしているかどうか自己点検の上、結果を7月31日までに報告するよう通知されるものである。こちらもきちんと対応するようにしたい。
本シリーズで、施設基準管理・適時調査対策として特に大事だと強調したのが、返還につながりやすい、施設基準の中でもとりわけ「線引き」がしやすい基準として、①数字で定められている基準②面積要件があったり専用とされたりしている部屋等③人員基準で、基準を満たしているかどうか白黒が付きやすいもの―を挙げた。各施設基準の紹介では、①~③に該当する項目を中心にしながら、厚生労働省の適時調査「調査書」で、重点的に確認すると位置付けられている項目を参考にしながら主な留意点を紹介した。点数改定を経るたびに施設基準は変更されていくが、①~③の重要性等、基本的な管理方法は大きくは変わらない。保団連『届出医療等の活用と留意点』やウェブサイト「様式9ドットコム」をご活用いただくとともに、施設基準管理で困ったときは保険医協会にぜひご相談いただきたい。本シリーズが各医療機関における施設基準管理ご担当者の僅かでも参考になった点があれば幸いである。(完)