協会は7月28日、第72回定期総会(第197回定時代議員会合併)を市内のホテルで開催した。総会は、111人(代議員72人、理事者19人、一般会員20人)が出席し、2018年度活動報告・2019年度活動方針、決議案を採択。19年度から協会役員の顔ぶれが変わり、鈴木卓理事長のもとでの初の総会となった。総会後は協会創立70周年記念講演、祝賀会を開催した。
18年度協会活動を総括
最初に、茨木和博副理事長が18年度の活動を総括。医師の地域偏在の解消を目的とする医療法・医師法改定案が18年7月18日に成立したことを受け、協会は即座に開業規制への門戸が開かれると批判。2月8日には厚生労働省と懇談を行った。3月には同問題で会員署名を提起。150筆を集約し厚生労働省に提出するとともに、要請書「医師偏在指標に基づく医師偏在対策は中止すべき」を手渡したと述べた。
難病医療制度の改善運動では、NPO法人京都難病連と連携して署名活動や府・京都市との懇談、厚生労働省との懇談を重ねたことを報告。子ども医療費の拡充を求める活動では、府・京都市に4千筆を超える署名を提出。4月の府知事選で候補者双方が公約に掲げるまでになり、今回の拡充につながったとした。また、議論を重ねてきた消費税「損税」問題につき、解消には医療の非課税を維持する非課税還付が望ましいとの結論に至り、理事会声明を発表したと報告した。
維持期リハビリの打ち切りの問題と他医療機関に情報提供し、訪問リハビリを行う場合、指示する医師が研修要件を満たす必要があるという問題で、保団連厚労省要請に参加し、見直しを求める要請書を提出するなど、1年の活動を振り返った。
「政治を変える」を目標に
続いて、鈴木理事長が情勢と19年度活動方針をあわせて報告。医療費抑制策を基本に、国の医療への統制志向が強まる中、地域医療を守り確保していくためには病院を含む開業医の働きと立ち位置を再評価することが重要と述べ、その能力を最大限発揮できる体制を構築していくことが求められているとした。そのうえで国のあり方そのものを転換することなくして、今の医療を取り巻く問題の根本解決はないとし、「新しい福祉国家構想」とその根拠となる「社会保障基本法」の制定を目指したいとした。
また、2020年度の診療報酬改定に向けて、協会は会員から届けられた切実な改善要求の実現を勝ち取ってきた実績がある。個々の改善は決して不可能ではないとし、協会へご意見をお寄せいただきたいと呼びかけた。
その他、医師の働き方改革や医師偏在問題、医療のIT化問題、平和・環境の取り組みなど、多岐にわたり方針を提案した。
総会後は、作家の玉岡かおる氏による講演「時代を動かす女性の力~先人たちの足跡に咲いた花~」、続いて、協会創立70周年を記念する祝賀会を開催。来賓祝辞にはじまり、関係団体・保団連近畿ブロック各協会列席者の紹介、長年協会活動にご尽力いただいた役員歴任者を対象に感謝状を贈呈した。(関連4~5面)