目の前で起こった大惨事! 悲痛極まりなし  PDF

西川 昌樹(伏見)

 7月18日、京都アニメーション事件が発生しました。
 木曜日は西川医院を朝から休診。六地蔵総合病院で外来診療とペースメーカー手術を担当しています。午前10時半ごろ、看護師や事務職員が「西川先生のところ(?)が火事です」。黒い煙が勢いよく吹き上がっていました。急ぎ情報を仕入れて、医院の近くで爆発と知りました。医院は無事。火災の建物は100mの距離。その時点で、死者1人、心肺停止8人。火傷を負った人間が道路に並べられて救急搬送を待っていました。燃え盛る建物内に残された犠牲者は救うべくもなく消火活動のみが急がれていました。
 私のすべきことはすでになかったのですが、医院の前の米屋に駆け込んだ被災者を確認(診察)しました。目をそむけたくなる惨状でした。休診していたことが悔やまれました。午後2時過ぎ、沛然(ルビ:はいぜん)と通り雨がはく離した皮膚と焦げ付きを洗い流しました。行方不明者が24人と発表され、死者はさらに増えると予測しました。翌日の19日には33人の死者数が発表されました。すべての被災者は医院の患者です。明るい性格の若い連中です。悲痛極まりなし。
 私は身体も医院の設備も無事ですが、そのことが救助活動もできなかったこととあわせて、後ろめたい気持ちです。誰ひとり、大切なかわいい患者さんたちを救えなかった!
 19日も終日、安否を確認にきた家族の方々や報道陣が周辺をかためていました。大惨事であったにしては、類焼・延焼がなかったのは広い駐車場があったからです。周辺の住宅は旧奈良街道沿いで、古い民家が多いのです。延焼があれば西川医院も無事ではすまなかったと慄然としています。
 被災者とご家族の今後が心配です。

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