外来化学療法加算と麻酔管理料
前回、人員基準を管理する上で知っておくべき「常勤」「専ら」の考え方を紹介した。今回は外来化学療法加算の規定を引用して人員管理についてさらに紹介する。
外来化学療法加算1には、看護師の配置要件について次のような施設基準の通知がある。「化学療法の経験を5年以上有する専任の常勤看護師が化学療法を実施している時間帯において常時当該治療室に勤務していること」。この文中の一部でも満たさないということになれば、たちまち人員基準を満たさないとして当該施設基準の返上や自主返還を求められかねない。経験は「5年以上」なので5年未満であれば不可。「常勤」なので非常勤であれば不可(本紙第3053号参照)。「看護師」とされているので保健師、助産師ならよいが、准看護師は不可。「専任」とはされているものの、化学療法実施時間帯は、化学療法室に勤務している必要があるので、当該時間帯に他業務に従事することは不可(専任看護師を複数配置している場合はそのうち少なくとも1人は化学療法実施時間帯に化学療法室に配置)―となる。
外来化学療法加算1に限らないが、「常勤」の考え方についてもう少し触れておく。労働基準法の産休、育児・介護休業法の休業を取得している期間は非常勤者による常勤換算が可能となること、また育児・介護休業法で労働時間短縮が行われている正職員は、週所定労働時間が30時間以上で常勤扱い可能なことも覚えておきたい。
人員基準の他、外来化学療法加算では、リクライニングシート等を含む専用のベッドを備えた化学療法室があり、化学療法実施時間帯は他の目的(点滴、輸血は可)で使っていないか、加算「1」ではレジメンの妥当性評価・承認する委員会が年1回以上開催され議事録が整備されているか、またそのメンバーが適切かにも注意したい。
麻酔管理料についても返還となるケースが散見される。届出が多いのは管理料「Ⅰ」だが、必要とされる常勤の麻酔科標榜医が適切に配置されていることに加えて、麻酔科がきちんと標榜できていること、麻酔科標榜医が実施していない麻酔については算定対象外であること等に留意しておきたい。