厚労省が定額診療でのかかりつけ医登録制を検討していると日経で報道された。すぐ厚労大臣は否定したが▼現行の地域包括診療料は、要件が厳しく算定医療機関は0・2%程度と聞く。月額1500点程度の定額制で、薬剤費は出来高払い。急変増悪時所定点数550点以上の検査・画像診断・処置(診療所で算定することはほぼない)は請求できるが、簡単な処置・検査等は算定できない▼患者の体調悪化時、診療所では自院の持ち出しにならないような簡略な診療を推奨する制度だ。原因疾患の早期発見が遅れ、疾病が重層化する危険がある。重症化してからの診療は、病院へ紹介することになる。終末期の高額医療につながり、死期を早めることにも▼将来の悪化を見越し軽微なうちに対応する、未病の予防というかかりつけ医本来の役割は否定されている。かかりつけ医の診療内容に疑問があっても、登録制のためすぐには転医できない状況に患者は陥る。かかりつけ医との信頼関係がくずれ、疾病の重症化が進む▼登録制は人気投票的な面もあり、医学的でない患者迎合の医療が横行する危険はないのか▼18年診療報酬からACPが終末期医療の算定要件に入った。少子化対策に失敗した政府は、健康寿命延伸化による高齢者雇用推奨とセットで、フレイル高齢者の早死を謀っている。年金対策か?(恭仁)
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