地域包括ケア構築など人材確保で苦悩
協会は、亀岡市・船井医師会との懇談会を4月13日、ガレリアかめおかで開催。両地区から合わせて9人、協会から5人が出席。亀岡市医師会の米原亨副会長の司会で進められた。
冒頭、亀岡市医師会の森戸俊典会長より、全国的に人口減少・少子高齢化が進んでいる。昨年ついに亀岡市の人口が9万人を割った。地元で生まれ育った若者が就職等を理由に一度地元を離れてしまうと、その後戻ってこないことが要因の一つと考えられる。そのような状況も影響してか医療・介護・福祉とも慢性的な人手不足である。
しかし、国は地域ごとに独自の地域包括ケアシステムの構築を迫っており、今後人材をどのように確保していくかは大きな課題である。さらに、追い打ちをかけるように政府は働き方改革の下、残業規制や有休取得などを推し進めており、この改革によりさらに人材確保のハードルが高くなるのではないかと危惧する。
問題山積で苦悩する日々が続いているが、協会からカンフル剤を投入してもらい、現状を打開するヒントが得られればと思うとあいさつした。その後、内田副理事長のあいさつ、協会から情報提供と「診療報酬不合理是正について」「国が目指す地域医療提供体制と開業規制」のテーマについて意見交換を行った。
地区からは、向精神薬長期投与の減算に関して、以前より長期処方の弊害を踏まえ、処方する医師はいかに減らしていくか努力してきた。しかし、そういった努力を無視するかのような今回の改定は理解できないとの意見が出された。協会は、研修を受講するなど減算を免れるためのさまざまな動きがあるが、どれも本質的な解決策ではないので、保団連と協力して減算そのものを廃止するよう厚労省に要望していると説明した。
また、地域包括ケアシステム構築について、地区では若い医師をはじめマンパワーが不足している中、限られた人数でいかにシステムを構築するか模索しているが、なかなか良い解決策が見つからない。何かいいアドバイスはないかと質問が出された。
この質問に対し協会は、広島市での取り組みを紹介。広島市では行政保健師が本来担っていた地区担当制を復活させて、地域包括ケアシステムの中で役割を担わせる試みを進めている。また、厚労省も2013年に「地区担当制の推進に努めること」とする方針の見直し通知を発出しているので、あらためて自治体に保健師の地区担当制を活用するよう働きかけてはどうかと提案した。地区からは、保健師は能力も意識も高い人が多いが、うまく機能していない部分もあるので、地域の医療・介護・福祉の連携会議の中で提案したいと述べられた。その他にも、医療における消費税問題などについても意見交換した。
最後に、船井医師会の寺澤直子副会長が、医療における消費税問題について、今後消費税が増税されるたびに、診療報酬で補填するやり方がいいのか判断が難しいところではあるが、いろいろな事情を勘案すると現状ではそれしかないと理解したと締めくくられた。
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2018年度地区医師会との懇談会は、4月13日の亀岡市・船井医師会との懇談をもって予定を終了しました。18年9月から開始し、15地区医師会と懇談。その中でいただいた協会の活動に対する多くのご意見は、今後の活動に生かしていきたいと存じます。
出席者14人で開催された亀岡市・船井医師会との懇談