親の介護をしている。朝仕事に行く前に親の家を訪ねると、家の中がとんでもないことになっていることがしばしばある。着替えをさせ、家の中を大掃除して、汚れたものを洗濯して。薬を飲ませて職場へ向かう。こんな生活が続くと、習慣になって日常の一つの流れになっていく。別居していることでストレスは軽減するが、反対にそのことが不安にもなる。時々自問自答する▼今の社会、自己責任を強調して、自助を押し付け、自助に頼る社会保障の中で、「辛い時、辛いと言えているだろうか」「助けてほしい時、助けてと言えているだろうか」「強がりだけで、頑張りすぎていないか」と。「もっと弱さをみせてもいいのではないか」「みんなに助けてもらったらいいのではないか。そしてみんなで強くなっていけばいいのではないか」と▼今の時代、人に頼ること、国に頼ることに後ろめたさを感じてしまう。自分だけで何とかすることが美徳とされる、そうした世の中になってしまっていないか。自分の弱さを隠すことなく、明らかにして、素直に辛いときは辛いと言って、助けを求める。そういう普通の社会になってほしい。そういったことを、優しく包み込み一人ひとりの暮らし、人生を保障する。そんな、本来あるべき社会保障にし、いつまでも、親の素敵な笑顔を見続けていきたい。(治)
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