看護職員夜間配置加算等日々の患者数による管理が必要な施設基準
シリーズ⑯で、看護要員数管理ではあるが、いわゆる届出添付書類様式9では管理できないものがあることについて若干触れた。看護職員夜間配置加算、療養病棟入院基本料注13の夜間看護加算、地域包括ケア病棟入院料注7の看護職員夜間配置加算、脳卒中ケアユニット入院医療管理料等である。
様式9で行う看護要員数管理は、月平均入院患者数に基づき当該月の看護要員配置数が充足しているかどうかを確認するので、様式9を作成する範囲毎に、曜日や時間帯、病棟間での傾斜配置が可能である(夜勤で最低限必要な配置数は満たす必要がある)。看護職員夜間配置加算等では、この傾斜配置が制限されていると考える。
例えば看護職員夜間配置加算では、満たすべき人員基準として、①日々の入院患者数に対して夜間看護職員配置12対1(または16対1)以上、かつ、②各病棟の夜勤看護職員配置3人以上、が求められる。①の日々の入院患者数は容易に変化するものであり、日々必要とされる看護職員数も容易に変更していくところがこの管理を難しくしている。日々の入院患者数は、午前0時現在の入院患者数がベースにはなるが、その後の入退院数も加味して管理したい。
さて、①に関しては、同一の入院基本料を届け出ている病棟間における傾斜配置は認められているが、②については病棟毎に満たす必要があり、病棟間の傾斜配置すら認められていないことに注意する。なお、地域包括ケア病棟入院料注7の看護職員夜間配置加算、脳卒中ケアユニット入院医療管理料等は特定入院料であるため施設基準自体病棟毎に満たす必要があり、病棟間の傾斜配置もできない。
またこれらの人員配置に関するルールがどこに記載されているかによって、満たさなかった場合の運命が左右される。前述の②に相当するルールは、看護職員夜間配置加算や療養病棟入院基本料注13の夜間看護加算は「施設基準」に、一方、地域包括ケア病棟入院料注7の看護職員夜間配置加算は「算定要件」に書かれている。例えば夜間に必要とされる各病棟看護職員(要員)配置3人以上のルールのみが満たせなかった場合、前者は施設基準を満たさないこととなってしまうが、後者はその日のみ当該加算を算定しなければよいという取扱いになる。