診療録管理体制加算と医師事務作業補助体制加算
適時調査による文書指摘が多い入院基本料等加算とその内容を紹介する。
診療録管理体制加算では、退院時要約が全患者に作成されていないとの指摘が多い。加算「1」では、14日以内に退院時要約が作成され、中央病歴管理室に提出された者の割合が9割以上とされているので合わせて注意したい。また、中央病歴管理室の設置と、診療管理部門または診療記録管理委員会の設置が求められている。組織図や規定上明記しておきたい。
加算「1」では年間退院患者数2000人ごとに1人以上専任の常勤診療記録管理者が必要で、うち1人は専従。加算「2」でも1人以上の専任の診療記録管理者が必要とされている。加算「1」でいう常勤者は非常勤職員による常勤換算が認められず、専従者は医師事務作業補助者を兼ねることはできない。派遣職員や請負方式も認められない。さらにDPCのコーディングを除く請求事務等は診療記録管理者の業務外など業務範囲についても見解があるので確認しておきたい。
医師事務作業補助体制加算ではまず、届出区分毎に必要とされる数の専従の医師事務作業補助者が配置されていることが重要である。非常勤者の常勤換算によることも可能であるが、医師事務作業補助に専従であることは落としてはならない。派遣職員は認められるが、請負方式は認められない。
また医師事務作業補助者の業務範囲等を院内規程により定めておく必要がある他、配置から6カ月以内に必要とされる研修を完了し、記録に残しておく必要がある。
加算「1」では医師事務作業補助者の勤務時間の8割以上が病棟または外来で行われている必要がある(医師指示による診断書作成補助、診療録代行入力は実施場所にかかわらず含む)ため、業務内容、場所、勤務時間等を適切に記録しておく必要がある。