協会は1月25日、第196回定時代議員会を開き、2018年度上半期活動報告および下半期重点方針、決議案を採択した。代議員53人、理事者19人が出席した。議事進行は、飯田泰啓議長、松本恒司副議長が務めた。なお、遠方で参加の難しい代議員からの要望を受け、今回の代議員会より初のネット配信を整備した。
上半期重点活動を総括
茨木和博理事長代行が18年度上半期の活動を総括。格差と貧困の深刻化の中での度重なる患者負担増により、受診抑制が顕在化。これに拍車をかけると、さらなる負担増に反対すべく、全国の協会・医会とともに国会への請願署名に取り組んだことを報告した。また、医療機関が抱える消費税損税問題の解消策として、代議員アンケートの結果を踏まえ「非課税還付方式」が望ましいとの結論に至った。医療界一致の要求となるよう引き続き働きかけを行っていくとした。
地方自治体を巡っては、奈良県による地域別診療報酬の活用に対し、保団連近畿ブロック8協会連名による反対の緊急声明を発表。また、開業規制問題や地域医療構想についての要望を京都府に提出し、懇談したことを報告した。
患者の医療保障守るために
続いて、渡邉賢治副理事長が情勢を報告。世界でいちばん企業が活躍しやすい国をスローガンに、安倍政権が新自由主義改革と軍事大国化を進め、日本の姿が大きく変わったと指摘した。医療・社会保障分野でも、その「権利性」が破壊されたとし、国による生存権保障から個人責任に転換されたと強調した。
国の進める改革は地域や生活にまで押し寄せ、個々人の医師が目指す医療への介入、その生き方への介入にまで至りつつある。こうした状況にあっても、医師の専門性に基づく医療を、全て公的医療保険で保障する仕組みを手放さず、患者の医療を守り抜き、拡充させることが協会に課せられた仕事だと述べた。
協会の下半期重点方針を確認
情勢報告を受けて、茨木理事長代行が下半期活動方針を提案。国の進める医療・社会保障政策は、明るい未来はおろか、今日明日の生命・健康を脅かす方向へ突き進んでいる。協会は、こうした時期であるからこそ、国民皆保険を達成し制限診療や地域差撤廃を実現した先人たちの取り組みに学び、奮闘したいと述べ、保険医運動の継承・発展を目指す組織活動の強化、国・自治体に対する医療者としての発言、診療報酬改善の要請を強めることなどを提案した。提案はすべて賛成多数で採択された。(関連2・3面)