政策部員
礒部 博子
2月24日に沖縄で県民投票が行われた。普天間飛行場の代替施設として名護市辺野古に米軍基地を建設するための埋め立てに対する賛否についての県民投票である。
結果は、投票率52%、「賛成」11万票、「反対」43万票で、反対が72%というものだった。これは、投票資格者総数115万人に対して、3分の1以上の人が「反対」を示しているということになる。
またこの結果は、条例で知事が結果を尊重し、総理大臣と米大統領に通知することになっている有権者の4分の1という数値もクリアしているのである。
日本も米国も民主主義国家であるのだから、当然現在の沖縄県民の総意であるこの結果を、真摯に受け止めるべきで、沖縄県民の意見を十分に聞き、これを国政に反映させるのが民主主義のルールだということは、誰もが認めるはずである。
また、この県民投票の結果に追い風となるような新たな問題も起こっている。それは埋め立て区域内の軟弱地盤問題である。
防衛局が行ったボーリング調査の結果、辺野古新基地建設現場の大浦湾側に当初想定されていないような軟弱地盤が多数見つかった。このため、地盤改良が必須となり、工事を進めるには知事から設計変更の承認を得る必要が生じてきたのだ。もちろん、設計変更には多額の費用がかかり、環境にも致命的な影響を与えることが考えられる。
私たちは今後、この新たな局面がどう推移していくかをしっかり見守る必要がある。本当に辺野古埋め立てが普天間の危険性を一刻も早く除去するための唯一の方法なのだろうか。今回の投票結果を真摯に受け止め、真剣に議論する必要があるのは、国でもなく、米国でもなく、私たち日本国民全体ではないだろうか。