ステンドグラスアトリエ拝見!光の音楽に魅了されて 佐々木 真弓氏  PDF

 ステンドグラス作家である佐々木真弓氏(西陣・佐々木医院院長夫人)のアトリエにお邪魔し、ステンドグラスに魅せられた経緯についてお話を伺った。
 ステンドグラスに魅せられたきっかけは、スイスのバーゼルに留学した際に、毎週金曜日の朝、ホストファミリーと通った教会。ステンドグラスの窓を通して注ぎ込んでくる光の美しさに魅了されたと話してもらった。生活の中に根付く礼拝が貴重な経験だったとのこと。また、ホストファミリーがスイスでも有名なガラス会社を経営していたことから、ガラスを吹く経験などもして帰ってきた。これが原風景となり、今の活動に繋がっているそうだ。
 当初は趣味として始めたステンドグラスだが、あるとき神戸でティファニーランプ展が開催されることをニュースで耳にし、会場へ。鑑賞してからは、どうしても自分で作ってみたいとティファニーランプのステンドグラスなどを図版で紹介している書籍や型紙を購入し、挑戦。最初は睡蓮のランプを作成したそう。
 そこから、ティファニーランプに没頭し、現在では300以上の作品を制作。ご自宅をアトリエにして教室を開き、生徒さんも多数おられる。ご自身の母校であるノートルダムでは、小学校で月に一度親子ステンドグラス教室を開催し、その作品をアトリエ展で多くの方たちにご覧いただいているとのこと。台湾やイタリアなどの海外展示も! 2018年は下鴨神社からの依頼で葵祭を題材にしたステンドグラスを制作したそう。参拝者休憩所のドアの面となっている。今後、葵祭のシーンを幾通りか再現し、祭が開催されていない時期も楽しめるステンドグラスを作ることになっているそうだ。
 11月には京都文化博物館別館で、ステンドグラス展を開催されており、展示だけでなくマジックやシャンソン歌唱などイベントも盛りだくさん。展示会では佐々木義文院長も写真撮影から舞台の設置にと走り回っておられた。真弓氏いわく、義文院長の理解と協力があってこそとのこと。
 この展示会は毎年開催されているそうで、18年で20回目となる。今年、ぜひ鑑賞されてはいかがだろうか。
 また、春には佐々木氏を講師に協会主催でステンドグラス教室を開催する予定だ。こちらもぜひ、ご参加いただきたい。

ご自宅に並べられた作品の数々

Fruit
Maple Leaf
Cobweb
Dragonfly

佐々木真弓氏 京都府出身。安居信太郎氏に師事。96年から各地でステンドグラス展を開催。99年からアトリエエンジェルランプ展を開始し、01年からは同展開催場所を京都文化博物館へ。以降、毎年開催している。連展(東京都美術館)厚生労働大臣賞、毎日新聞社賞、京都芸術祭KBS京都賞・京都市長賞・国際交流総合展賞など、数々を受賞。
 日本ステンドグラス協会副会長、京都芸術祭美術部門副実行委員長、アトリエエンジェル主宰。

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