住民守る真の社会保障改革を 理事長代行 茨木和博  PDF

 明けまして、おめでとうございます。
 よき新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
 昨年は診療報酬と介護報酬の同時改定が行われました。診療報酬の本体はプラス0・55%、薬価と医療材料はマイナス1・74%で、ネットでマイナス1・19%というひどいものでした。
 本体のプラスの中身もハードルの高い加算点数がほとんどで、とりにくいものでした。我々がかねてから主張している基本診療料のアップや、不合理点数の是正は行われず、社会保障費の抑制を目指すものでした。また、各都道府県での地域医療構想を含む医療計画、介護保険事業支援計画がスタートしました。一方で都道府県に国保の運営主体が移管され、京都府は医療提供体制と保険財政の両方を一元管理する立場になっています。幸い、京都府地域医療構想では、病床数の数値目標は、国の勧奨数値を踏襲しない構成が発表され、医療費抑制自体を目標としないことが明言されました。京都府民の社会保障を守るための真の改革を求めて、府や各市とともに我々も頑張っていく所存です。
 今年の10月には、消費税が10%に引き上げられることが決定しています。それに対応するために、医療費に関しては「非課税還付」「ゼロ税率」「軽減税率」等が議論されていますが、まだ結論は出ていません。一部報道では、次の診療報酬改定の初・再診料の引上げで補てんするとも言われていますが、今までの消費税引上げの時でも充分補てんされているとは言えません。元々、消費税の増収分は社会保障に充てると言っていたのに、どこにいってしまったのでしょうか。どう対処するのが各医療機関にとって良い結果になるのか、十分に議論してもらいたいものです。
 昨年は大阪北部地震、西日本豪雨災害、台風21号、24号などの自然災害も多く発生し、多くの会員が被災されました。被災された会員には当協会の規定に従い、お見舞金をお届けしました。日本だけでなく世界のあちこちで大きな自然災害が起こっています。これは地球温暖化の影響でしょうか?
 喜ばしいこととしては、ノーベル医学生理学賞に本庶祐氏が選ばれました。氏は免疫学の研究が専門で、免疫療法でがんを制圧することができると言っておられました。国民の2人に1人ががんになるといわれている中、大変心強い言葉です。
 本年は協会創立70周年を迎えます。その記念事業に向けて、理事者・事務局一同、力を合わせて頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。
 垣田理事長のご快復とともに、会員の皆様のご健勝で幸多き一年でありますよう祈念致します。

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