入院料5対策 その1
入院料5対策とは、入院基本料や特定入院料を算定するにあたって整備が求められている①入院診療計画②院内感染防止対策③医療安全管理体制④褥瘡対策⑤栄養管理体制―の五つの施設基準を指す。適時調査では重点確認事項と位置付けられており、実際これらに関して不備を指摘されることも多い。
①入院診療計画では、まず使用している計画書の様式が、厚生労働省が示すひな型と同じか、項目を一つも漏らしていないかが重要である。クリニカル・パスを用いる場合であっても、ひな型にある項目を盛り込んでおく必要がある。次に医師・看護師等多職種により策定されている必要がある。リハ介入がある場合は、「主治医以外の担当者名」欄にリハスタッフの名前を求められる等、医師・看護師以外の担当者名の記載が求められるケースがある。また入院から7日以内に説明・交付されているか、計画内容が画一的でないか、写しがカルテに添付されているかにも留意したい。
②院内感染防止対策では、院内感染防止対策委員会が設置されており、病院長や看護部長等各部門の責任者がメンバーとなっているか、月1回開催されているかが、委員会の設置要綱や委員会議事録により確認される。また感染情報レポート綴りにより、週報として作成されていることが確認できることも重要である。
③医療安全管理体制では、安全管理のための指針が作成され、医療事故、インシデント等の報告、分析、改善策を実施できる体制にあるか。また医療安全委員会が設置され月1回程度開催されているか、設置要綱、委員会議事録により確認される。医療安全に係る職員研修が年2回、計画され実施されていることも大事である。