協会は、2018年度第1回コミュニケーション委員会を10月20日に開催した。地区医師会から12人、協会から7人が出席し、飯田代議員会議長の司会で進行した。協会からは、「診療報酬不合理是正について」「国が目指す地域医療提供体制と開業規制」をテーマに報告を行った。
診療報酬不合理是正について、各委員からは、「今回の診療報酬改定では、届出が必要な点数ばかりが新設され、届出をしなければ点数が取れなくなってきている。基本診療料を引き上げてほしい」「点数が個別に評価されている処置を実施した場合よりも、それらを実施しないで外来管理加算を算定した場合の方が高い点数となるのは不合理ではないか」など、2020年度診療報酬改定に向けて改善を求める意見が出された。
来年4月から実施されるベンゾジアゼピン受容体作動薬の長期処方における減算規定については、「減算規定の対象外となる不安または不眠に係る適切な研修を受講し、要件を満たした場合、その旨のレセプト記載は必要になるのか」などの質問が出され、協会からは「レセプト記載については現時点では通知等が出されていない。しかし、受講証明はしっかりと保管しておいたほうがよい」と注意を促した。また、10月診療分からレセプト摘要欄への記載方法がコード化されることについて、協会は「コード化の狙いの一つとして、より審査をしやすくするため。医師の裁量がどんどんなくなり、審査も厳しくなることを危惧している」と警鐘を鳴らした。
国が目指す地域医療提供体制と開業規制については、「北部では医師不足が深刻。一方で家庭医や総合医をやる若手の医師が多くなってきているが、地域で何年も根ざしてやる医師がいない。地域で診療をしながら生活もできる支援が必要」「人口が減っており、医師数も増えない。人口の割には面積が広く、少人数の医師だけで対応するのは大変だ。新規開業も少なく、医師も患者も高齢化しており、医療が成立するのか危惧している」など各地区の実情が報告された。これに対し協会は、「それぞれの地区で問題を抱えており、医師多数地域から医師少数地域に医師を派遣するだけでは医療は成り立たない。街づくり、国づくりから考えていかなければならない」と述べた。