京都府に提供体制で申し入れ 開業規制問題や地域医療構想など5要望  PDF

 協会は7月19日、開業規制問題や地域医療構想などについての「医療保険・提供体制政策に関する要望」を京都府に提出して懇談した。懇談では医療提供体制に関する会員アンケート結果も示しながら地域の要望を伝えた。当日は府保健福祉部より医療課の井尻訓生課長、真下信男医務・看護担当課長、医療保険政策課の安原孝啓医療保険広域化担当課長が出席。協会からは渡邉・鈴木副理事長ら5人が出席した。

 要望は、①医療法・医師法改定法における開業規制につながる条文削除を国に求めるとともに、京都府保健医療計画に〈医師多数区域〉〈医師少数区域〉を定めないこと②地域医療構想の達成に向けては、各医療機関が歴史的に地域で担ってきた役割、医療機関自身の医業にかかる方針を尊重すること③医療費抑制のための医師・医療機関数の管理政策の転換を国に求めること④京都府内どの地域でも人々が安心して暮らせるよう、地域の再生を目指すこと⑤奈良県に対し、高齢者医療確保法第14条の活用(診療報酬の特例)を行わないよう求めること。少なくとも京都府においては絶対に実施しないこと――の5項目。
 府からは、①については、同法が前日18日に成立したばかりなので、区域を指定する「指標」がどのようなものになるのか検討状況を見守りたいとしつつ、「指標」は地域の状況を十分に反映することが必要であり、そこから逸れていくようならば府としても意見していきたいとした。医師偏在の問題については、必要な医師数を二次医療圏ごとに充足させる必要があり、科目毎の必要な医師の絶対数の確保は国の責務だとした。
 ②については、協会要望にあるように、地域医療構想調整会議の中で、地域で位置づけられている病院の役割や各病院の思いを医療・介護関係者で共有し確認する作業をしていく。今後も公立病院も民間病院も分け隔てなく意見を聞くようにして、合意して決めていきたいので協力してもらいたいと回答。
 ③については、京都府の中期的な医療費の推移に関する見通し策定における基本姿勢は医療費適正化そのものを目的とせず、府民の健康寿命を延ばしていく事業を充実させていくことをもって、結果としての医療費の見通しを示すという考え方であり、従前と変わらないとした。
 ④については、健康を守って地域で住み続けてもらう提供体制を守っていく必要がある。両方相まって維持していくことになるとした。
 ⑤については、全国知事会も特例診療報酬の創設時から医療費適正化に向けた妥当性や実効性に疑問があると慎重な対応を要望してきている。京都府も同じスタンスであり、これからも維持していく。府議会でも、慎重な対応を求めていくと答弁しているとした。
 さらに協会から、京都市の規模であればせめて行政区単位で、地区医師会代表の声が直接届けられるような会議を府としてやってもらえないかと要望。府は圏域の中で分けた方が良いということであれば柔軟に考えていきたいとした。
 また、国の方針に従って公立病院合併等の動きが出ている県もあるなかで、京都府が住民を守る姿勢で尽力してくれていることについて敬意を表し、引き続き維持してほしい旨要望した。

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