協会は、「医療安全管理者が行う患者・家族に寄り添う対応」と題した交流会を5月31日に開催。講師は石鎚会田辺中央病院医療安全管理室の木村理香看護師長。会員や従事者ら22人が参加した。
木村氏は、自身が看護師から医療安全管理者になった当時を振り返り、不安・孤独・重い・忙しい・私もミスをするのに…等の思いを具体的に語るとともに、協会発行の「事例で見る医療安全対策の心得」に掲載されている内容を参考にして、患者対応していることを報告した。対応では医療機関の示す「誠意」とは、医療事故後の医学的調査を患者側に確実に約束することであり、賠償問題に性急に発展させない工夫が必要と説いた。また、医療事故が発生した際の注意点として、自身の経験から無意識に「被害者=患者」「加害者=医療機関」で、恐らく医療過誤があったと思い込んで患者側と対応しており、調査の結果、医療過誤なしの判断が出た際に、結果的に患者側を裏切る形になったことを挙げた。
ディスカッションでは、医事紛争に至った医学的な質問や患者対応時の録音の是非、謝罪をいつ誰がどのようにするか等のテーマが出された。録音については相手の許可を得るほうが望ましいが、お互い許可を得なくても録音している場合が珍しくなくなり、裁判で証拠として有効になる場合もあることが紹介された。謝罪については、当該医療従事者が直接患者側に謝るべきか否か意見が分かれ、ケース・バイ・ケースであり、紋切型に答えが出せない問題であるとの意見が多数出された。
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