4月14日 舞鶴メディカルセンター
疲弊が深刻な地域医療 医師不足が喫緊の課題
協会は、4月14日に舞鶴メディカルセンターで舞鶴医師会との懇談会を開催した。医師会から9人、協会から5人が出席した。懇談は舞鶴医師会の奥野眞樹理事により進行。冒頭、同会の梅原秀樹会長が「2018年の診療報酬改定は前回を上回るプラス改定で評価に値するが、厳しい経営状況の医療機関にとって引き上げ幅が決して大きいとは言えない。また、誰もが質の高い医療・介護を受けられるよう、地域の体制をしっかりと構築する必要がある。我々がしっかり支えなければと考えている」とあいさつ。
続いて、協会の垣田さち子理事長があいさつを行い、各部会からの情報提供、懇談会のテーマである「診療報酬・介護報酬同時改定」「医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題」について説明を行い、意見交換した。
医師偏在問題では、地区から「人口が減少している地区で開業しようという医師はいるのだろうか」と疑問が出され、協会は「人口が減少しているところでは経営が成り立たない。そこで、医師少数地域で開業を促すために地域別診療報酬の議論が上がってきている。さらに、キャリアとしても認めるという話もある」と国の議論状況を紹介。さらに、「国が力をいれて医師偏在問題を取り上げているとはいっても、実態をみて考えているとは到底思えない。人口といってもどういった年齢分布なのかで話は全然違ってくる」として、問題点をあげた。また、地区から「医師偏在問題にかかわって、最近困っていることが病院勤務医師の減少だ。血液内科、呼吸器内科、膠原病などを診る専門医の常勤がいない。新専門医制度の影響も大きいだろう。できれば2~3年、地域に医師を派遣する仕組みを作ってもらえたら嬉しい」と切実な訴えが出された。協会は「自治医大の京都の卒業生が、本来であれば京都府北部へくるべき医師だと思うが、思うようになっていないようだ。国にとっても大きな課題だろうが、上から制度を押し付けてもなかなか難しい」と述べた。
保険診療と健康診断について、地区から「受診中の患者の健診について保険診療との区分を明確にするため、別日の実施が望ましいとされているが、同日実施の希望もある現状を踏まえた具体的対処を含め教えてほしい」と質問が出された。協会は「別日の実施が望ましいが、同日でも問題ない。ただし、健診と同日での保険診療の場合、初・再診料は算定できない。レセプトには『健診から移行』などのコメントを記載すること。診療実日数には加える。健診時の採血を保険診療の検体検査にも用いた場合は、採血料は算定できない。一方、健診の項目に含まれないものに限り、検査料・判断料は算定できる。健診項目に含まれている検査を別途保険請求してはいけない。内視鏡検査が健診項目に含まれている場合で、病変を認めた場合は、生検した以降を保険診療としても良いという解釈が示されている。レセプトには『健診より』等のコメントを記載していただきたい」と説明した。
その他、新設された産科・産婦人科の特例加算についても意見交換を行った。
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2017年度地区医師会との懇談会は、4月14日の舞鶴医師会との懇談をもって予定を終了しました。17年10月から開始し、21地区医師会と懇談。その中でいただいた協会の活動に対する多くのご意見は、今後の活動に生かしていきたいと存じます。