高齢者ケアの財政論  PDF

 横山氏は、財政構造からみた介護保険制度の問題点を指摘し、ケア保障を可能とする財政への転換を提起した。
 介護保険の欠陥は財政構造とリンクし、高い保険料かサービスかの選択が強いられる。自治体は自ら負担と給付の調整を求められるが限界があり、給付が増大し負担能力をはるかに超える保険料額になっている。国は財政難に対し制度破壊による財政の帳尻合わせを進めている。
 これらを転換し、高齢者ケア保障のための財政を目指す原則として、①国による財政責任原則②事務費・投資的経費の全額国庫負担原則③同一所得・同一保険料原則④保険料の最低生活保障原則⑤窓口負担ゼロ原則⑥企業負担の累進型総報酬比例方式⑦民主的な徴税・徴収機構の確立とその下での一括管理⑧全国単一の「疾病金庫」の設立―の8本の柱を提起した。

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