若葉がまぶしい季節になった。樹木は毎年新芽を再生するが、人はそういうわけにはいかない。平均寿命をコツコツ伸ばして、ついに人生100年時代といわれるように。今100歳以上の人は6万7千人。1990年と比べて20倍以上だ▼ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授は、著書の中で、長生きに対して生き方を見直す必要があると述べている。すなわち、これまでは学校を卒業し、就職、リタイアするというのが一般的であったが、これからは人生の途中で学び直し、別の分野で活躍するという選択肢があっても良いというものである。生涯にわたって学べば、社会を支え続ける人が多数出てくるだろうとも▼もっとも、人生100年時代とは関係なく、人生の途中で学び直すということは大切だ。たとえ学校などへは行かなくても、心構えだけでもいい。我々医療に携わる者は、学び直すなら理科系でも文科系でもいいだろう。文科系なら成果は数字では表わせないから、他人と比べる必要がないし、心機一転新しい形で世の中に貢献できるかもしれない▼好き嫌いは別にして、世の中は常に変化してゆく。ぶれない自分の軸を持ちながら、周りの変化に素早く対応し、新たなことに挑戦する人は、いくつになっても若葉のように精神をしなやかに保つことができるだろう。
シンポジウム「高齢者ケア保障を求めて」では、岡﨑祐司氏の記念講演に引き続き、林泰則氏、末永睦子氏、横山壽一氏、塚本忠司氏の4氏がそれぞれ報告した。以下、ポイントを紹介する。
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