一方、「医療法及び医師法の一部を改正する法律案」によって、「医師少数区域」等での一定の勤務経験を通じ、地域医療への知見を有する医師を認定する仕組みが作られる。別途検討される「医療機関に対するインセンティブ」とは診療報酬による評価を想定しているのかと質問したところ、厚労省は検討中としながらも、診療報酬も視野には入っているが、中医協を通す必要があるため、すぐにはできない。医療介護総合確保基金活用等も考えられる、とコメントした。
「医師少数区域」と「医師多数区域」の設定については、二次医療機関レベルで設定される。国は医師の地域偏在・診療科偏在を統一的に測る「ものさし」として、「医師偏在指標」を示すこととしている。この指標の基本的な設計について、厚労省は歴史的には厚生省が10万人に対して150人が適正と言っていたこともあったが、今回「これが適正値」だという予定はない。この指標の推計は全国で比較するための偏在の指標であり、あくまで多いか少ないかを区分けをするためのものである。(医師数は)OECD諸国よりも少ない。入学定員も暫定増となっている。適正値は含まれず、あくまで「標準偏差」に過ぎない。専門医制度との関係は、医療の種別ごとと法案には書いてあるので、どこまでやっていけるのかは、今後よく検討していきたいとコメントした。
また、法案が医療計画に書き込むことを求める医師確保計画において、都道府県が確保すべき医師数の目標設定とは、「医師少数区域」のみならず「医師多数区域」についても求めるのかとの質問に対しては、基本的に各都道府県で多数区域も目標を設定する。数の少ないところを引き上げるもので、数が多いところを引き下げることを意図するのではない。偏在をどう解消するのか、ということである。活用を想定しているのは少数区域だとの考えを示した。
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