医政局との懇談詳報 医療機関の経営方針は二の次?  PDF

 地域医療構想の進め方について、通知は今後2年間程度で各都道府県が「具体的対応方針」を策定することを求め、「病床の役割分担を進めるためのデータを国から都道府県に提供」するとある。これについて厚労省からは、すでに3月末に病床機能報告データを都道府県に提供し、それを用いて対応方針に個別医療機関の名称や転換する病床数の記載を求めていると説明。厚労省は現状の役割を大きく変更させようと考える医療機関もあれば、現状維持の医療機関もあるだろうが、いずれにせよ明らかにしてほしいと述べた。
 通知は都道府県が、病床のすべてが稼働していない病棟とその再稼働、新たな病床整備予定の医療機関や開設者を変更(個人間の継承も含む)する医療機関を把握した場合、地域医療構想調整会議への出席・説明を求めている。協会は、その結果、各医療機関の方針が地域医療構想の方向性とそぐわなければ最終的には都道府県知事から命令・要請・勧告等がなされることを問題視し、「各医療機関の医業にかかる方針(経営方針)よりも地域医療構想達成が上位に置かれることを意味しているように読み取れる」と指摘。これに対し、厚労省は「決して機械的に言っているわけでない。あくまでプロセスを示したのみだ」と述べた。
 加えて厚労省は、地域の医療機関が初心を持って医療経営に取り組んでいることは理解する。しかし2025年に向けて人口構造等が変わる中、方向性は地域で共有してほしい。通知はあくまでそのプロセスを示したものであり、最終的にどうするかを強制しているわけではない。確かに知事権限などはあるが、あくまで最終的な政策の立て付け上の担保だと説明した。

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