全力で子どもたち守りたい
小出裕章氏が講演
協会は、バイバイ原発きょうと実行委員会と共催で、2月24日に講演会を開催。小出裕章氏を講師に迎え、「福島第一原発 現状と課題」と題して講演いただいた。参加者は190人。
小出氏は事故後から今日に至るまで、日本は原子力緊急事態宣言下に置かれている。大地を汚染している主成分はセシウム137で、その半減期は30年。100年たっても、汚染は10分の1にしかならない。日本は今後100年以上、原子力緊急事態宣言が出されたままということで、異常な状態だと説明した。
福島の小児甲状腺がんの発生にも触れ、原子力を選んだことに責任のない子どもたちは放射線に敏感であるとし、これがなにより辛いと吐露した。そして、人々は汚染を忘れたいと思うし、国は積極に忘れさせようとする。今、福島では、「復興」が最優先とされ、福島県産の食品が安全であることを示すとして学校給食にも福島県産の食品が意図的に使われ、2015年秋からは毎年、国道6号線の「清掃」作業に学校児童が動員されるようになっている。逆に、汚染があることを口にすると復興の邪魔だと非難される。そして、強制避難で故郷を追われた人は被害者。汚染地に住んでいる人も被害者。生活の崩壊を覚悟で逃げている人も被害者。にもかかわらず、被害者同士が分断され、この事故を引き起こした加害者は無傷のままさらに原子力を進めようとする。大切なことは被害者がお互いの苦悩を認め合い、団結し、加害者と戦うことであるとまとめた。