バイバイ原発3・11きょうとに2500人!  PDF

「脱原発」「再稼働反対」に結集

 今年で7回目となるバイバイ原発3・11きょうとの集会を、3月11日、円山野外音楽堂で開催した。参加者は2500人。前回を上回る人数が結集した。

 集会では、原発賠償京都訴訟原告団のリレースピーチ、弁護団からの報告が行われた。この訴訟は、福島第一原発事故で福島などから避難した57世帯174人が、国と東京電力に損害賠償を求めて京都地裁に訴えをおこしたもの。
 登壇した原告団の9人は、震災、原発事故当時の恐怖、避難先での生活の苦労や子どもへの健康被害の不安などを次々と語り、「愛しい人たち、愛しい風景と別れることになった辛い日。何も解明していない。何も解決していない」「何が大事か。それは命です。大人も子どもも被ばくしてはなりません」「避難する権利を保障してほしい」と訴えた。弁護団からは、「復興した、あるいは復興しているという雰囲気が蔓延している今だからこそ、避難者に寄り添う必要がある。避難したほうがいいと主張しているのではなく、避難する権利を保障してほしいと訴えている」と述べた。
 続いて、福島県浪江町から移住した菅野みずえさんがスピーチ。「原発事故は人災。子どもたちに大変な未来を背負わせてしまった」「核の平和利用に不安を持ちながらも止めることができなかった。私は被害者だけれど、加害者でもある」「今、黙ってしまえば、次に事故が起こったとき、明らかに加害側に立ってしまう。黙っていてはいけない」。そして、「集会に参加することで原発反対の意思を示したと安堵せず、もう一歩踏み出して原発をとめるために自分に何ができるかを考えてほしい。思いを明日につなげてほしい」と訴えた。
 アトラクションでは、福島県二本松市に生まれ、伝説のパンクバンド「ザ・スターリン」を率いた遠藤ミチロウ氏が登場。福島県いわき市のホットスポットである志田名しだみょう地区の住民を集め、40年ほど途絶えていた盆踊りを復活。時代と世代を超えて愛される民謡を、アンプラグド・パンクの新たな形として披露した。
 集会後はデモを行い、街頭の人たちに「脱原発」「再稼働反対」を訴えた。
 なお、集会後の15日、京都地裁において原発賠償京都訴訟の一審判決が出された。結果は、東電と国の責任を明確に認めたものの、原告全員には避難の相当性が認められなかったため、「一部勝訴」となった。今回の判決では、子どもや放射線の影響をとくに懸念しなければならない事情を持つ者がいることなど個別具体的事情を考慮して、避難の相当性を判断する基準(避難基準)を示し、千葉・茨城・栃木など避難指示がない区域からの「自主避難者」の賠償を広く認めて、賠償を命じた。避難の相当性が認められた原告は143人、一部認められた原告は6人。原告団はこの判決を受け、原告全員の賠償、「避難の権利」の獲得に向け、大阪高等裁判所へ控訴した。

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